海外情勢

中国当局、独占行為の疑いでアリババ立件へ調査 習指導部が巨大ネット企業の管理強化

 【北京=三塚聖平】中国当局は24日、中国インターネット通販最大手のアリババ集団について、立件に向けて調査を始めたと発表した。ネット通販市場で独占行為があった疑い。同社の傘下企業に指導を行うことも同日表明しており、習近平指導部はアリババなど巨大ネット企業への統制を一気に強めている。

 国家市場監督管理総局の発表によると、アリババは自社の通販サイトで商品を販売する業者に対し、競合他社のサイトに出店しないよう迫る「二者択一」などを行った疑いがある。アリババは同日、「積極的に調査に協力する。現時点で業務はすべて正常に行われている」との声明を出した。

 中国人民銀行(中央銀行)なども同日、アリババ傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営する「アント・グループ」に対し、「公平な競争や消費者の合法的な権益の保護」などの観点から近く指導を行うと発表。中国当局によるアリババへの圧力が一気に高まっている。

 中国共産党と政府が今月中旬に開いた来年の経済政策の基本方針を策定する重要会議では、国内ネット企業に対する規制強化を進める方針を表明している。

 習指導部は、中国の経済や社会で存在感を増す国内の巨大ネット企業への警戒を強めている。11月には、ネット企業の独占的な行為を規制する新たな指針の草案を発表したほか、アント・グループの幹部らが当局の指導を受けたことをきっかけに株式上場の延期に追い込まれた。

 中国政府は今月14日には、アリババと騰訊控股(テンセント)のそれぞれの傘下企業などに対し、独占禁止法違反で罰金を科すことを決めている。今後も、巨大ネット企業に対する圧力は、さまざまな形で強まっていくとみられる。

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