国内

大阪・関西万博、長期投資呼び込む契機に 1970年万博以後は失速

 25日に基本計画が公表された2025年大阪・関西万博は、空飛ぶクルマや超高速の次世代通信など、最新技術を駆使した「未来社会の実験場」となる予定だ。ただ、同様に技術の粋を集めた1970年の大阪万博以降、関西経済は縮小。万博が開催地の経済発展につながるとは限らない現実がある。万博を一過性のイベントで終わらせず、継続的に国内外から投資を呼び込む契機にする取り組みが求められる。(黒川信雄)

 基本計画の公表を受け、日本国際博覧会協会やプロデューサーらは今後、会場の詳細な設計や、民間企業などから提案された事業案の選定など、準備作業を加速させる。事業案には小型無人機ドローンの技術を活用した人を運ぶ空飛ぶクルマのほか、次世代交通サービス「MaaS(マース)」など、次世代のさまざまなサービスが列挙されている。

 ただ、同様に未来技術を集めた1970年の大阪万博以後、関西経済はむしろ下り坂をたどった。70年当時に国内総生産(GDP)の約20%を占めた関西経済は現在、約15%に落ち込み、人口も減少傾向が続く。首都圏や中部圏の経済規模は増加、または横ばいで、3大経済圏では関西が“1人負け”の状態だ。

 万博を機に関西経済が発展しなかった理由について、アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括は「万博を国威発揚の場としてとらえ、経済発展につなげるという考えがそもそも薄かった。日本経済も右肩上がりで、それが続くと錯覚していた」と断じる。

 大阪万博は6400万人超が来場するなど、国内外から大きな注目を集めたが、経済面ではその後のオイルショックや企業の製造拠点の海外流出などを背景に、関西経済は落ち込んだ。大阪万博でも近未来の技術が紹介されたが、それらが関西経済を支えたとは言い難いのが実情だ。

 稲田氏は、2025年の万博を「最新技術の提示を通じて関西の魅力をアピールし、中長期的に国内外の投資を呼び込む契機としなくてはならない」と主張する。紹介された最新技術の着実な商品化や、海外から投資をしやすくするための環境整備など、万博の開催にとどまらない経済発展に向けた入念な制度設計が求められる。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus