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埼玉県内の主要駅、夜間の人出が最大64%減

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の再発令後、埼玉県内の主要5駅周辺の夜間の人出が、前年の同じ頃に比べて最大で64・7%減少したことが19日、県の集計で分かった。外出自粛呼び掛けの成果が出たとみることもできるが、前回の宣言時と比べると小幅な減少にとどまっており、「自粛疲れ」の傾向がうかがえる。

 集計は大宮駅(さいたま市大宮区)、川越駅(川越市)、川口駅(川口市)、所沢駅(所沢市)、南越谷駅(越谷市)の周辺エリアを対象に実施した。携帯電話会社のデータを活用して8日の再発令の前後(昨年12月16日~今年1月16日)の各日午後8時時点の人出を算出し、昨年1月18日~2月14日の平日平均、休日平均と比較した。

 再発令後で最も人出が減った日は、大宮駅周辺が1月10日(減少率64・7%)、川越駅周辺が12日(同62・1%)、川口駅周辺が10日(同48・5%)、所沢駅周辺が11日(同44・2%)、南越谷駅周辺が12日(同47・4%)だった。

 1月8~14日と昨年12月16~22日の1日当たりの平均減少率を比べると、大宮駅周辺が24・7ポイント増、川越駅周辺が21・3ポイント増、川口駅周辺が20・2ポイント増、所沢駅周辺が21・1ポイント増、南越谷駅周辺が18・8ポイント増となった。

 ただ、前回の宣言発令時と比較すると、ほとんどのエリアで人出は増えている。大宮駅周辺の場合、昨年4~5月は減少率が8割を超える日も珍しくなかった。

 大野元裕知事は19日の記者会見で「最初の感染から1年が経ち、『自粛慣れ』『自粛飽き』が生じていることは仕方ない」と述べた上で「現時点では感染予防対策には行動の抑制や感染機会の減少しかない。感染者が増えてきているので、協力いただきたい」と呼び掛けた。

 埼玉県内では18日、1人から何人に感染が広まるかを示す「実効再生産数」が約1カ月半ぶりに「1」を切った。県感染症対策課の担当者は「まだ油断はできないが喜ばしい出来事だ。緊急事態宣言の効果が徐々に出始めているのではないか」との見方を示した。(竹之内秀介)

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