海外情勢

米首都が“要塞化” 新大統領就任前に祝賀ムードなく支持者「悲しい」

 【ワシントン=上塚真由】バイデン新大統領の就任式を翌日に控えた19日、首都ワシントンは前例にない規模の厳戒態勢が敷かれた。トランプ大統領の支持者による6日の連邦議会議事堂襲撃・占拠事件を受け、不測の事態に備えて全米から大量の州兵を投入。中心部の道路は封鎖され、人通りの消えた街は4年に1度の祝福ムードとはほど遠い異例の状態となっている。

 米メディアによると、2017年のトランプ大統領の就任式では約8000人の州兵が警備にあたったが、今回は3倍以上の2万5000人体制に強化。街の至るところで迷彩服を着た重装備の州兵が警備し、物々しい雰囲気が漂う。中心部の道路や地下鉄の駅が封鎖された上、就任式の会場となる連邦議会議事堂前や、ホワイトハウス周辺は、高いフェンスで囲われるなど「要塞化」の様相を呈している。

 新型コロナウイルス対策もあり、通常の就任式では数万人の聴衆が集まる国立公園「ナショナル・モール」も立ち入り禁止に。聴衆の代わりに、公園は星条旗など20万本の旗で埋め尽くされ、夜間には州・自治領などの数に合わせて56の帯状にライトアップされる。「米国の結束」(就任式委員会)を示す演出という。

 ワシントン市が就任式に来ないよう呼びかけたこともあり、バイデン氏の支持者の姿はほとんど見られない。中西部オハイオ州のオードリー・コースターさん(53)は数カ月前にホテルを予約したためワシントンに来たという。警備の厳重さを目の当たりにして「トランプ支持者が起こした議事堂襲撃の重大さを改めて思い知った。安全のためには仕方ないが、就任式で銃を持った州兵の姿ばかりが目立つのは悲しいに尽きる」と話した。

 地元の住民からは「就任式はワシントンにとって4年に1度のお祭り。人が全くいなくて、地元の経済が心配だ」(59歳の女性)といった声も聞かれた。

 厳戒態勢の中、騒乱は起きていないが、米メディアによると、米連邦捜査局(FBI)が警備に当たる州兵の身辺調査を行った結果、12人を任務から外した。うち2人は極右民兵組織と関わりがあったり、過激派を支持する投稿をしたりしていたといい、残る10人は過激派との関連はないが、調査の過程で行動に「問題がある」と判断された。議事堂襲撃では軍経験者も加わっていたことが判明し、就任式に向けて州兵の身元調査も強化されている。

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