海外情勢

米の債務増加は憂慮に当たらず 次期財務長官のイエレン氏、低金利持続の見通し

 次期米財務長官に指名されたジャネット・イエレン氏は19日、バイデン次期大統領が新型コロナウイルス禍に対応するため先に発表した1兆9000億ドル(約197兆円)規模の経済対策案をめぐり、早期成立を議会に訴えるのに当たって低金利環境持続の見通しを強調した。

 上院財政委員会の指名承認公聴会で証言したイエレン氏は、中小企業や失業者向け援助や州・地方自治体への支援金など一連の歳出案について、新型コロナ禍との闘いに必要だと指摘する一方、それに伴う連邦債務残高の増加を憂慮するには当たらないとの姿勢を表明した。

 前連邦準備制度理事会(FRB)議長であるイエレン氏は金利に関し、「世界は変わった」と明言。「われわれが現在置かれているような超低金利環境では、経済規模に比較して債務残高が増えても、金利負担は増加しないことを目の当たりにしている」と語った。

 来月には経済対策案第2弾も打ち出すとしているバイデン氏が目指しているのは、先の金融危機以降に経験した経済の低調な回復を繰り返さないようにすることだ。同氏は当時副大統領だったが、拙速な財政引き締めの結果、労働市場の完全な回復は何年も遅れることになった。

 イエレン氏は「われわれにできる最も重要なことはパンデミック(世界的大流行)退治と米国民への支援、経済を成長させて将来の世代に恩恵となる長期的な投資を行うことだ」と話し、危機に今対処しなければ「財政状況は悪化しかねない」と警告した。上院財政委の次期委員長に就任予定のワイデン民主党筆頭理事が示した予定表によれば、上院は21日にもイエレン氏の財務長官就任を承認する可能性がある。

 ただ、イエレン氏の議論が同委の共和党議員の理解を直ちに得ることはなかった。上院の主導権は20日午後に民主党に移行することになるが、経済対策法案を早急に前進させるには共和党議員の支持が必要とされる。(ブルームバーグ Saleha Mohsin、Christopher Condon)

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