海外情勢

米バイデン新政権、分断とウイルス危機克服で「結束」呼びかけ

 【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は20日の就任演説で、6日に起きたトランプ前大統領の支持勢力による連邦議会議事堂の占拠事件に象徴される深刻な政治・社会的な分断状況を踏まえ、米国を再び結束させることに全力で取り組むと表明した。

 バイデン氏は、第16代リンカーン大統領が1863年、南部諸州での黒人奴隷解放を命じる「奴隷解放宣言」への署名に「魂を打ち込んだ」と述懐したのと同様に、「米国を一つにし、国民と国家を結束させることに精魂を傾ける」と強調した。

 バイデン氏の発言は、新型コロナウイルス危機の克服に加え、米国の民主主義システムを直接脅かすまでに先鋭化した国内の分断を修復することが、米国の再起に不可欠であるとする強い決意に根差したものだ。

 実際、約20分間にわたったバイデン氏の演説の大半は新型コロナ対策と米国の「結束」に費やされた。

 バイデン氏は「私たちの歴史は、万民は平等であるとする米国の理想と、人種差別や移民排斥などといった過酷で醜い現実との間の絶え間ない闘争の歴史だった」とした上で、「人間の良き本性が最後は常に勝利した」と強調した。

 バイデン氏はまた、トランプ氏を支持した勢力の間で新大統領への反感が根強いことを念頭に、「私は全ての米国人のための大統領となる。私を支持したかどうかに関係なく、全ての人々のために戦う」と述べた。大統領選で有権者の間に生じた大きなわだかまりを、どこまで和らげることができるかも注目される。

 新型コロナ危機をめぐっては、「一晩中泣いて悲しんでも、朝とともに喜びがやって来る」との旧約聖書の一節を引用し、国民が力を合わせてウイルス禍を乗り切ろうと呼びかけた。

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