国内

テレワーク実施率22% 緊急事態宣言再発令後、低水準

 日本生産性本部は22日、政府が新型コロナウイルス対策で再発令した緊急事態宣言下のテレワーク実施率が、全国では22・0%だったとする調査結果を発表した。昨年5月に調査を始め、今回が4回目。前回の昨年10月の実施率18・9%からは上昇したが、同じく緊急事態宣言下だった昨年5月の31・5%に比べると約10ポイント低い水準にとどまっている。

 調査は企業などに雇用されて働く20歳以上の1100人を対象に今月12~13日に実施。宣言再発令下で行われたテレワークの実態に関する大規模調査の結果が公表されるのは初めてとみられる。

 調査時点で宣言が出されていた1都3県のテレワーク実施率は32・7%で、全国水準は上回るものの、前回宣言下の昨年5月の41・3%を下回った。調査を担当した柿岡明上席研究員は「宣言再発令となったが、コロナ慣れで危機感が薄まっていることで、実施率が全国で2割程度にとどまっている」と分析する。

 宣言再発令に伴い政府はで、経済界に対し、出勤者数の7割削減を目指し、在宅勤務やテレワークの推進を求めてきた。しかし、その水準とは大きな乖(かい)離(り)がある実態が明らかになった格好だ。

 大企業では、三井物産が原則在宅勤務に踏み切るなどの対応を取っている。三菱商事も出勤者数の7割削減を念頭に在宅勤務を最大限活用するよう社員に通達。三菱UFJ銀行は営業店などを除く東京や大阪、名古屋の本部でテレワーク比率が現状で5割を超えるが、さらなる拡大を目指すとしている。

 その一方、小売りや外食チェーンでは在宅勤務率の目標設定を「店舗は含めず、本部などのオフィス勤務者だけ」に限っているところも多く、小売り幹部の一人は「全体での出勤者数7割削減は厳しい」との認識を示す。東京都内で精密部品を手がける町工場の社長も「そもそもモノをつくる現場では在宅勤務は難しい」としており、中小企業や製造業でいかにテレワークを進められるかが課題となりそうだ。

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