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ベトナム、日本企業が牽引する即席ラーメン大国

 日本が世界に誇る発明の一つであるインスタントラーメンだが、世界ラーメン協会によれば、2019年の世界需要は1064億食に上り(日本は56億食)、世界で広く食されている。国別では、中国が414億食と圧倒的な首位だが、東南アジアはインドネシアが125億食で世界2位、ベトナムが54億食で5位、フィリピンが39億食で8位と、域内主要国が上位に名を連ねる世界の主要市場の一つである。とりわけベトナムは、約1億の人口を有しつつ、1人当たり年間需要は56.3食と東南アジアで最多を誇り、日本の44.4食を上回るインスタントラーメン大国である。

 ベトナムのインスタントラーメンは、カップ麺よりも袋入りのものが主流であるが、近年は特にカップ麺の需要が増加しており、商品の多様化も進んでいる。

 そのベトナムのインスタントラーメン市場を牽引(けんいん)しているのが、エースコックである。同社はベトナム語で「刷新」を意味するドイモイ政策による市場経済化が進みつつあった1995年にいち早く進出し、現地の嗜好(しこう)に合わせて開発した主力ブランド「Hao Hao」(ベトナム語で「好き好き」を意味する)は、今や現地で知らない人はいないといわれ、同国インスタントラーメン市場で販売額トップの地位を確立している。現在はベトナムから輸出もしており、売上高は海外事業が日本国内を上回る。

 ベトナムの食文化に深く浸透するインスタントラーメンだが、近年も緩やかながら着実に需要が拡大してきた。将来的には所得の上昇と併せて食の多様化・高級化の進展や健康志向の高まりが予想され、こうしたトレンドに対応する商品開発も進むことが見込まれる。

 (日本政策投資銀行産業調査部 北添剛)(編集協力=日本政策投資銀行)

 

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