海外情勢

パウエル発言頼る市場 26日からFOMC、債券購入「維持」に期待

 米連邦準備制度理事会(FRB)は26、27の両日に今年最初の連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。金利トレーダーの関心は月額1200億ドル(約12兆4600億円)規模の債券購入ペースをしばらくの間、維持するかにどうかにあり、FRBのパウエル議長には購入ペース維持を再確認するメッセージを発してもらいたいと期待する。

 米国債売りリスク

 今回のFOMCの会合は大幅な価格変動を引き起こす政策決定はないというのが市場のコンセンサスであり、金利市場のボラティリティー(変動性)が低いことや、米債券利回りが今後数週間、安定的に推移する限り利益を生むオプションのポジション積み上げにそうした見解が反映されている。

 だが、債券購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)をめぐる議論が年内に始まるかもしれないとの観測をパウエル議長があらためて否定して、現状維持に十分強力なコミットメントを示すことがなければ、期間が長めの米国債に売りが広がるリスクがあると投資家は指摘する。

 新型コロナウイルス禍に対応する追加経済対策への期待や成長見通しの改善を背景に、利回りは既に10カ月ぶりの高水準を試していることから、投資家にとってFOMCとパウエル議長の言動の重要性は高まるばかりだ。過去最大規模の国債入札を控えていることもFRBの債券購入の重要性を裏付ける。

 13年の混乱を念頭

 投資家の念頭にあるのはもちろん、バーナンキFRB議長(当時)の発言が引き起こした2013年のテーパータントラムだ。バーナンキ氏が早期のテーパリング開始の可能性に言及し、不意を突かれた市場では利回りが急上昇するなど動揺した。

 インサイト・インベストメントのポートフォリオマネジャー、スコット・ルスターホルツ氏は「テーパリングはないとのFRBのコミットメントについて、市場は常に確認を必要とする局面に入りつつある」と指摘。「財政政策面で楽観論が台頭し、経済が従来予想よりも速いペースで回復するかもしれない可能性が高まっているためだ」と説明した。

 地区連銀総裁の一部が年内のテーパリング開始の可能性にオープンな姿勢を示唆したのを受け、10年債利回りが12日に一時1.1855%と昨年3月以来の水準に上昇するなど、市場は既に神経質になっている。その後、パウエル議長が今はそうした議論の時期ではないと述べて臆測を打ち消そうとしたことで、利回りは低下した。

 パウエル議長は27日のFOMC後に記者会見する。ルスターホルツ氏は「パウエル議長は記者会見で、FOMCの主流は緩和策に完全にコミットしており、その解除に関する議論は時期尚早だと明確に強調するだろう」と予想する。

 そのうえで、パウエル議長がテーパリング議論を否定しない想定外のシナリオとなった場合、30年債利回りは現行の1.85%前後から2%に向けて急上昇し、2年債と30年債のスプレッドは約4年ぶりの幅にまでスティープ化(右肩上がり)する可能性があるとの見方を示した。(ブルームバーグ Vivien Lou Chen、Edward Bolingbroke)

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