海外情勢

プラ原料「ナフサ」がアジアで供給逼迫、韓国大手が再稼働 長短価格は逆転

 アジアで石油化学製品の原料となるナフサの供給が逼迫(ひっぱく)している。長期間稼働を停止していた韓国のプラスチック製造最大手の再稼働に伴い、プラスチック原料であるナフサの引き合いが急増した。

 梱包や医療で需要

 ナフサから作られる石油化学製品は医療用マスクから自動車の内装まであらゆる物の製造に使用される。ナフサの供給が逼迫した際には通常、プロパン由来の原料で一部が代用されるが、冬季の暖房需要が高まり、プロパン価格も上昇している。

 韓国の石油化学大手はナフサの大口需要家で、中国を除く北アジアのナフサの約16%を消費している。このうちロッテケミカルとLG化学は火災により稼働を停止しているが、1月末に再稼働する見通しだ。これにより、この2社に麗川NCCを加えた韓国のナフサ分解工場は全て稼働することになる。

 韓国石油・化学大手SKイノベーションや台湾の台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)などは原油からナフサを分留する精製工場とナフサ分解炉の両方を所有し、自社使用分の一部を賄っているが、新型コロナウイルスの感染拡大により、これらの工場でも稼働率が低下し市場からのナフサ購入量が通常よりも増加している。

 需要増の価格への影響が出始めている。アジアでは現物需給の逼迫を背景に先物の長短価格の逆転現象が生じ、1月中旬には限月間の価格差が直近6カ月で最大となった。

 ロッテケミカルが1月初旬に購入した2月後半引き渡し分のナフサは、日本の指標価格との価格差が1トン当たり20~21ドル。割高でもナフサを購入するのには、梱包(こんぽう)材や医療機器の需要が高まり、材料のエチレンをナフサから製造した場合の利益が過去2年でほぼ最大となっていることがある。

 欧州市場でも同様

 エネルギー関連コンサルティング会社FGEのアナリスト、アルマーン・アシュラフ氏は今回の価格上昇について、供給が不十分な状況で需要が拡大したことが原因と指摘。アジア市場では2~4月のスエズ運河以西からの輸入量が1カ月当たり240万トンを超えるとみている。1月の輸入は約170万トン、昨年は1カ月当たり約200万トンだった。

 エネルギーアスペクトのアナリスト、キアラン・タイラー氏によると、アジアに輸出する欧州でも同様の状況が生じている。精製工場での稼働率が低下し軽質バージンナフサの供給が縮小する一方で、ナフサ分解工場は他の原料に優先してナフサを使用している。このため欧州のナフサ市場でも逆転現象が急速に拡大し、1月中旬時点での価格はブレント原油を上回ったという。(ブルームバーグ Saket Sundria、Jack Wittels)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus