海外情勢

ゲームストップ株急騰、当局・議会が注視 米株バブル規制強化も

 27日のニューヨーク株式市場で米ビデオゲーム小売りチェーン大手ゲームストップの株価が2倍余りに急伸し、過去1週間で時価総額は8倍強の200億ドル(約2兆1000億円)規模に膨らんだ。株式市場のバブルが背景にあるとみられており、米議会や金融当局は規制や監視の強化に動き始めた。

 同社株は同日、一時157%高の380ドルを付け、値幅制限で少なくとも売買が2回停止された。株価急騰の陰には空売りを手掛ける米メルビン・キャピタルなどのヘッジファンドを標的とする個人投資家集団の存在がある。

 空売り筋が標的

 個人投資家に人気のオンライン掲示板「レディット」にユーザーの一人が「ゲームストップ株の空売りとメルビン・キャピタルの終わり」と書き込んだことを契機に、個人投資家はメルビンに攻勢をかけた。空売りの買い戻しを余儀なくされたメルビンは同業大手のシタデルとポイント72アセット・マネジメントに支援を仰いだ。

 同業シトロン・キャピタルもゲームストップ株の空売りポジション解消を迫られた。マディ・ウォーターズ・キャピタルを率いるカーソン・ブロック氏は「群衆が空売り筋に明確に狙いをつけている」と述べた。

 ゲームストップ株の急騰を受け、サキ大統領報道官は27日、「イエレン財務長官をはじめとするわれわれのチームは当然ながら状況を見守っている。ゲームストップ株の異常な値動きは株式市場だけが経済の健全性を測る指標ではないことを想起させてくれる」と指摘した。

 米証券取引委員会(SEC)は同日、「投資家を保護し、公正で秩序ある効率的な市場を維持するという使命に従い、われわれは状況を評価し、規制対象事業体や金融仲介会社、その他の市場参加者の活動を点検するため、他の規制当局と協力している」との声明を発表した。

 富裕層投資家を非難

 議会でも民主党のウォーレン上院議員が同日、こうした市場の状況を「熱狂的な活動だ」と指摘し、金融規制当局に金融業界への厳しい対応を求めた。ヘッジファンドなど空売り筋にも批判の矛先を向け、「ゲームストップの取引で混乱しているのと同じヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社、富裕層投資家らは何年もの間、株式市場を自分たちの個人的なカジノのように取り扱ってきたが、その間は他の全員が代償を払わされている」と非難した。

 一方、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は同日の記者会見で、現在の低金利政策が株式市場のバブルを生成したり、過度のインフレ高進を招いたりするのではないかとの見方には否定的な考えを示した。

 議長はゲームストップ株の急騰や、泡立った状態にある株価をめぐる質問に対し、厳しい状態にある労働市場に何度も言及した。この発言は、景気回復の勢いが予想よりも力強いものとなる可能性があるとして量的緩和について年内の段階的縮小開始が必要になるかもしれないとの見方を抱く一部の米金融当局者に向けたメッセージといえそうだ。(ブルームバーグ Jordan Fabian、Rich Miller)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus