海外情勢

アリババ、売上高37%増、10~12月期 「独身の日」セール好調も当局圧力が影

 【北京=三塚聖平】中国インターネット通販最大手のアリババ集団が2日発表した2020年10~12月期決算は、売上高が前年同期比37%増の2210億元(約3兆5800億円)だった。昨年11月に行った値引きセールの好調が牽引(けんいん)したが、中国当局が同社への圧力を増していることが今後に影を落とす。

 アリババは「独身の日」と呼ばれる昨年11月のセールで、新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり需要」を追い風に累計取引額が4982億元を記録。セール期間を拡大したため単純比較はできないが、前年の2684億元を大幅に上回っている。

 今後の懸念は当局の締め付けがどこまで強まるかだ。昨年11月には同社傘下のアント・グループが、上海と香港で計画した株式上場が直前になって延期に追い込まれた。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏の当局批判が引き金になったもようで、昨年12月下旬にはネット通販市場で独占行為があった疑いでアリババ立件に向け調査を始めたと当局が発表した。

 香港株式市場では投資家が先行きを警戒し、アリババ株はアントの上場延期前と比べて10%超下落した。

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