海外情勢

銀が急騰、米商品相場も混乱 背景に個人投資家集団の存在濃厚

 週明け1日のニューヨーク市場で銀先物相場が急伸し、取引開始直後に一時8年ぶりの高値となる1オンス=29.25ドルを記録した。背景に個人投資家集団の存在があるとみられ、オンライン掲示板「レディット」が火付け役となった米ゲームソフト小売りチェーン大手ゲームストップ株急騰など株式市場の混乱が商品相場にも波及した形だ。

 銀先物はレディットの人気フォーラム「ウォールストリート・ベッツ」への投稿が火付け役となり先週、6%近く上昇した。1月27日前後に銀連動型の上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・シルバー・トラスト」に銀投資を促すコメントなどが目立ち始め、28、29両日に相場が上昇していた。

 株式市場ではゲームストップなど主に空売りされていた銘柄が狙われたのに対し、銀相場はドル安や新型コロナウイルス感染拡大からの世界的な回復期待を背景に、この1年に50%余り上昇していた。

 ニューヨーク商品取引所(COMEX)は1日の銀先物急騰に対応し、証拠金引き上げを発表。これを受け銀先物は2日、一時2.4%下落した。

 また、レディットを利用する個人投資家は米株式市場で大きく空売りされているバイオテクノロジー企業バイオクリスト・ファーマシューティカルズ株の弱気派に対する「#BioWar(バイオ戦争)」を仕掛けようと呼び掛けて結集。同社の株価は1日のニューヨーク市場で39%高で取引を終了し約5年ぶり高値を記録した。

 こうした中、これら個人投資家に株式取引のアプリを提供している米ロビンフッド・マーケッツは、決済機関の米国証券保管振替機関(DTCC)に、決済までの間に預ける保証金の積み増しを要求され、財務基盤強化のため40億ドル(約4200億円)超の資金調達を迫られた。

 米下院金融委員会は1日、株式市場の不安定な値動きについての公聴会を18日に開くと発表した。ロビンフッドの口座を利用する個人投資家集団がソーシャルメディアでどう株価上昇をあおったかが焦点になる。

 一方、米証券取引委員会(SEC)のアリソン・ヘレン・リー委員長代行は1日のメディアとのインタビューで、最近の株式市場の不安定な値動きを注視しているものの、市場全般が脅威にさらされている兆候は見当たらないとの認識を示した上で株価操作があったかを見極めることが優先事項だと語った。(ブルームバーグ Joe Deaux、Cristin Flanagan)

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