海外情勢

米露、新戦略兵器削減条約の5年延長を発表

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国とロシアは3日、両国の新戦略兵器削減条約(新START)を5年間延長したと発表した。中距離核戦力(INF)全廃条約が2019年8月に失効後、米露間に唯一残る核軍縮条約である新STARTは、土壇場で存続することが決定した。

 ブリンケン米国務長官は声明で「新STARTを延長することで、米国はロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、大型爆撃機に関し、検証可能な上限を2026年2月5日まで設定することができる」と意義を強調した。

 新STARTはオバマ政権期の11年2月5日に発効。米露の戦略核弾頭の配備数を各1550、ICBMやSLBM、戦略爆撃機などの運搬手段の保有総数(配備中も含む)を各800に制限している。

 ブリンケン氏は「無制限の核軍拡競争は米国と同盟諸国、世界全体を危険に陥れる」と述べ、同条約の失効は米露の核軍拡につながるとの認識を示した。また「(米露が)緊張状態にあるからこそ、(米国に到達可能な)ロシアの核兵器に上限を設けることは死活的に重要だ」と訴えた。

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