海外情勢

中国経済の“屋台骨”あえぐ、中小メーカー・商社「売るほどカネが出ていく」 (2/2ページ)

 政府は支援に消極的

 輸出業者にとって一つ有利なのは、価格を引き上げたとしても、代替製品を調達できない買い手は、値上げを受け入れるしかない点だ。

 中南米や東南アジア、中東向けに浴室用キャビネットを輸出する帝誠科技(浙江省杭州市)の販売マネジャー、アンソニー・ハン氏は「中国と異なり他の国はまだ、パンデミックの影響を受けている。パンデミックは中国に長期的にプラスの効果をもたらす。インドなど競合国よりもわれわれには信頼性があることを示しているからだ」と強調する。

 ただ、中国政府は新経済成長策の「双循環」の一環として、輸出への依存を減らす意向を示しており、ハイテク機器を使いこなせない輸出業者への支援に消極的な姿勢を示している。

 海外では、トランプ前米大統領によって貿易戦争に拍車がかかり、製造業信頼感に大きな影響を及ぼした。バイデン新大統領は、同じ民主党ながらオバマ政権に比べ中国政府に厳しい態度をとると表明している。

 ハン氏は「国際政策がどう変わるかは分からない。常軌を逸したトランプ政権を経て、われわれは海外の政策が一瞬のうちに変わり得ることを学んだ」と語り、自社の製造業からの転換を計画している。

 しかし、ハン氏は現在、中国の全産業に影響を及ぼしかねない、さらに差し迫った問題に直面している。労働者が帰省する春節(旧正月、今年は12日)休暇の問題だ。国内の複数の場所で新型コロナ感染症が新たに流行する中、工場オーナーらは労働者が休暇後に職場復帰したがらなかったり、戻れなかったりする可能性があると不安を募らせる。

 ハン氏は「労働者が地元でロックダウン状態になれば、職場復帰はかなり遅くなる」と話す。同氏が働く帝誠科技では、生産ラインを動かし続けるために旧正月の休暇中は賃金を上げて他の工場から臨時で労働者を雇い、彼らをホテルに宿泊させる決定を下した。

 ハン氏は「臨時労働者は高くつくが、先立って商品を発送することができて為替差損を被らなければ、収入が増える。為替レートとの競争だ」と話した。(ブルームバーグ Jinshan Hong、Tom Hancock)

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