海外情勢

米市場、リフレ入りにらむ 期待インフレ率7年ぶり高水準

 8日のニューヨーク市場で、期待インフレ率を反映するとされる米10年国債とインフレ連動国債(TIPS)の利回り格差(10年物ブレークイーブン・レート)が一時、2014年以来の高い水準である2.216%を記録した。米国の追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種を機に米国の景気回復の動きが加速し、本格的なインフレ局面の前段階であるリフレ局面に入るとの見方が強まっている。

 同日の米国債市場では米30年債利回りも一時、1年ぶりに2%を突破。米景気回復期待の高まりで原油相場も押し上げられた。一方、欧州でも今後10年間のインフレ見通しを示すスワップ市場の指標が19年5月以来の高水準に近づいている。

 8日の米S&P500種株価指数は最高値を更新し、週間ベースで昨年11月以来の上昇を先週記録したストックス欧州600指数も引き続き堅調だった。ブレント原油先物は先週の6.2%上昇に続き、1%強続伸した。

 10日に発表される1月の米消費者物価指数(CPI)統計も上昇ペースの加速を示すと予想される。ブルームバーグがエコノミストを対象に行った調査では、1月は前年同月比1.5%上昇と、昨年3月以来のペースが見込まれている。

 一連の市場の動きは、米国の大型の追加経済対策が需要を喚起し、新型コロナワクチンの供給・接種ペースも加速するとの期待を背景として、投資家がインフレ高進見通しに過去数年間よりも強気な姿勢となっていることを物語る。

 こうしたことが、物価上昇に最も敏感な国債価格下落の動きを引き起こし、長期金利を押し上げている。コメルツ銀行の固定金利戦略責任者、クリストフ・リーガー氏は「現在目にしているようなリフレトレードに抵抗するのは困難だ」と指摘した。

 市場関係者の間では久しぶりに、国債のリフレの兆候がいつ株式相場への圧力になり始めるかが話題になっている。ただ、今のところ、株式を積極的に買っているトレーダーは良い状況にある。コロナ禍からの回復が企業利益の追い風になると予想されるためだ。

 UBSのアナリストは、米10年国債利回りが株式市場に痛みをもたらす水準を2%(現在は約1.17%)とみている。(ブルームバーグ Elizabeth Stanton、Stephen Spratt)

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