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議事堂乱入扇動、トランプ氏弾劾裁判「合憲」 米上院で審理開始

 米連邦議会議事堂への乱入をめぐり支持者の暴動を扇動したとして下院で弾劾訴追されたトランプ前大統領の弾劾裁判の審理が9日、上院で始まった。トランプ氏にとって2度目となる弾劾裁判初日は、退任した大統領を裁判にかけることの合憲性が約4時間にわたって議論され、上院は賛成56、反対44の賛成多数でその進行を決めた。

 与野党同数の上院勢力の下、民主党側の全員とともに共和党議員6人が裁判を進めることが合憲であると認めたものだが、トランプ氏の有罪評決に必要な67票には大きな開きがある。10日から冒頭陳述が始まる。

 民主党に同調して共和党から賛成に回ったのはマカウスキ、カシディ、コリンズ、ロムニー、サス、トゥーミーの各議員。

 トランプ氏は弾劾裁判に出廷せず、フロリダ州に所有する会員制高級リゾート「マールアラーゴ」に滞在している。事情に詳しい関係者が明らかにした。弾劾マネジャーが主張を展開している間、トランプ氏の側近らはツイッターの個人アカウントを永久停止されたトランプ氏に代わってしきりに弁護の投稿を行った。

 検察官役を務める下院民主党の弾劾マネジャーは審理の冒頭、トランプ氏の支持者らが議会議事堂に乱入し、警察官を襲撃する様子を時系列で示す編集動画を流した。トランプ氏がホワイトハウス近くで演説し、聴衆に議事堂へ向かうよう促すシーンから始まり、上下両院合同会議で選挙人投票結果の集計とジョー・バイデン氏の大統領選勝利認定を進めていた議員らが避難する場面などが大型モニターに映し出された。

 筆頭弾劾マネジャーのラスキン下院議員はトランプ氏が「このために」弾劾訴追されたと述べ、「これが弾劾可能な犯罪でないなら、何も弾劾できなくなる」と指摘。退任直前の言動について大統領の責任を追及することに例外はないと主張した。

 トランプ氏の弁護団はこれに対し、下院による弾劾訴追は不正行為を憲法上の手続きで正すというよりも、民主党の権力に対する挑戦者としてトランプ氏を取り除こうとする政治的動機に基づく試みだとし、裁判は違憲であると反論した。また、トランプ氏の発言は言論の自由などを定めた米国憲法修正1条によって保護されているとした。(ブルームバーグ Mike Dorning、Billy House)

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