海外情勢

ゲームストップ株取引も…日本の投資家に“英語の壁” 熱狂ほぼ無関心

 理由が何であれ、日本の個人投資家は世界中の市場を揺るがしたゲームストップ株取引をめぐる熱狂に関わる気があまりないようだ。

 SBI証券の米国株の売買代金ランキングによれば、1月の最終週はインターネット掲示板「レディット」上の人気ページ「ウォールストリート・ベッツ」で注目された米ゲームソフト小売りチェーン大手ゲームストップより燃料電池のプラグ・パワーや人工知能(AI)を手掛けるシースリーエーアイなどの方が活発に取引されていた。

 東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは日本の個人投資家について、「まだおとなしい。1980年代だったら積極的に参加したと思うが、今は機関投資家みたいな動きをしている」と指摘。合理的な理由がないと買わないとみている。

 80年代のバブル経済崩壊後、リスクテークの意欲不足が日本の当局者を悩ませてきた。日本の個人投資家は為替取引では長く知られているが、株式については国内市場でさえも米国と比べて影が薄い。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に見舞われて以来、多くの国々と同様に日本でも株取引に参加する個人投資家が増えつつある。米国株をめぐっては、2019年のネット証券会社の価格競争で取引手数料が無料となり、為替リスクにもかかわらず魅力が高まっている。100株単位での売買が主流の日本株と比べ、米国株の方が売買しやすい場合も多い。それでも、ゲームストップ株への投資はハードルが高過ぎるようだ。

 デイトレーダーの村上直樹氏は、日本の個人投資家が手掛けるのは大手企業だけだと指摘。アマゾン・コムのようなネームバリューがあってブランド認知度が高く、つぶれるリスクがほぼない銘柄が選好されると説明した。ゲームストップが最近のお気に入り銘柄の一つとなった韓国やインドの投資家とは対照的だ。

 韓国の証券保管振替機構(KDS)によれば、同国の個人・機関投資家は1月に外国株を差し引きで50億ドル(約5230億円)購入。月間ベースで11年の集計開始以来の大幅な買い越しとなった。そのうちテスラ株が約98億ドルと最も多く、ゲームストップ株は5億5700万ドルに上った。

 村上氏は、日本の投資家には「英語という最後のハードルがある」と指摘した。

 多くの日本の投資家は英語の決算報告書を理解するのに苦労しており、ましてネーティブスピーカーでさえ頭を悩ます「tendies(投資益)」「diamond hands(極めてリスクの高いポジションを維持する勇気)」「stonks going to the moon」といったウォールストリート・ベッツ上の難解語彙(ごい)については言うまでもないと村上氏は語る。(ブルームバーグ Gearoid Reidy、Shoko Oda)

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