海外情勢

中国急回復でドル覇権継続に試練 人民元上昇、準備通貨の地位視野 (2/2ページ)

 実際、シティグループは21年に人民元が対ドルで強含み、約30年来の水準に上昇する展開を予想している。ゴールドマン・サックス・グループは15年以降観測されていない水準までの上昇を見込む。また、JPモルガン・チェースは人民元を今年「最も確信度の高い」投資先の一つに挙げている。

 ドルは過去20年にわたり世界の外貨準備の6割以上を占めてきたが、昨年7~9月期末時点でこの割合が1996年以来最低の水準に低下した。一方、人民元は直近3四半期に世界の外貨準備に占める割合を2.1%まで伸ばしている。

 そうした変化を受け、人民元へのアプローチを見直し始めるアナリストもいる。HSBCホールディングスは、英ポンドや資源価格と連動性の高い通貨の週次価格変動に人民元が及ぼす影響力が一段と高まるとみており、ソシエテ・ジェネラルのストラテジストらは人民元がリスクセンチメントに影響を及ぼしていると考える。

 ただ、中国のあらゆるものに対する投資家の熱狂には大きな注意を払う必要があることは言うまでもない。投資資金の流入で人民元が過度に急騰すれば、輸出を損なう為替相場の上昇に歯止めをかけるための政府介入を促す可能性がある。これまでのところ人民銀は資本流出規制を緩和して人民元の上昇を止めるのではなく遅くする行動しか取っていない。

 とはいえ、人民元が望ましくない水準に上昇すれば、政策立案者らがより強制的な行動に出る可能性はあり、真のグローバル通貨になるための前提条件である国内市場の開放が一段と遅れる恐れもある。(ブルームバーグ Susanne Barton)

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