海外情勢

中国原因“いびつな料金” コンテナ争奪が激化、食料品の輸出入が大混乱 (2/2ページ)

 米から買いあさる

 カナダのバンクーバー港ではコンテナがヤードに積み上がる一方だ。同国の運輸サービス企業WTCグループのジョーダン・アトキンス副社長によると、通常は3日かかる貨物入りコンテナの貨物船への積み込み時間が最短で7時間に短縮されたという。同氏は「この厳しい時間枠の中で港にある貨物を船に乗せることは不可能だ」と嘆く。カナダは世界第2位の豆類生産国だが、エンドウ豆やレンズ豆などの豆類は特に船積みが困難な状況だという。

 インドの精糖最大手シュリ・レヌカ・シュガーズのラヴィ・グプタ社長によると、世界2位の砂糖生産国である同国の1月の砂糖輸出量は前年同月比5分の1未満の約7万トンに激減した。

 IM-EXグローバルのクラニッヒ氏は「昨年12月から同様の状況が続いている。食料品だけでなく、あらゆる商品が不足することになるだろう。私は21~22年のピークシーズンに一部の大口荷主の運賃が例年の2倍に跳ね上がったと聞いても驚かない」と話した。

 同氏の予想が正しければ、運賃の高騰分の一部は北米や欧州の国民の大半が新型コロナワクチン接種を終え、カフェやレストラン、オフィスビルに戻るタイミングで価格転嫁される可能性がある。

 コンテナの需給逼迫(ひっぱく)は米国の荷主が大豆や穀物のミールなどのアジア向け輸出拡大に対応しようとした矢先に起きた。中国では豚の飼育頭数がアフリカ豚コレラの打撃から予想以上に早く回復しており、飼料となる穀物を米国から大量に買い付けている。

 一方、足元の情勢を受け、一部の買い手は契約を破棄するほか、バルク(ばら積み)輸送に切り替えたり、高い運賃を回避するため購入を遅らせたりしている。

 新型コロナ感染拡大で港湾労働者が減少し、荷役が遅延していることもコンテナ不足に拍車をかけている。アルゼンチンでのストライキはアジア向けの米国産農産物の需要を押し上げ、コンテナ争奪戦激化の一因となっている。

 米コンテナ農産品貨物運送大手スカウラーのダグ・グレナン穀物・油糧種子担当副社長は「まさに泣きっ面に蜂の状況だ。アジアでは農産品に対する繰り延べ需要がある一方、米国では消費財の需要が旺盛だ。そこに港湾の人手不足が加わり、現在の危機に至っている」と指摘した。(ブルームバーグ Isis Almeida、Ann Koh)

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