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どんなに在宅勤務が普及しても「都心駅近マンション」が最強なワケ (2/2ページ)

 家賃補助を受けるより、購入したほうがお得

 マイホームに関する知識で、まず知っておかねばならないことは、自宅購入の方が家賃補助よりも資産形成できる場合が多いということだ。住宅手当3万円は年間36万円、住宅ローンと同じ期間の35年に見立てると総額1260万円相当になる。定年までこれをもらって賃貸に住んでいたとしても、定年後にろくなローンを組むことはできない。住宅ローンは80歳までに完済を求められるからだ。老後の家と資金に苦しむことになってしまう。だからこそ、どこかのタイミングで自宅を購入することが必須になる。実際、東京都でも80歳以上の持家率は80%に達する。

 以前、本コラムの「独身が“買っていいマンション”の7大条件」で、年収400万円以上で一定の条件を満たす人なら独身でも積極的にマンションを買うほうがいいと書いた。

 自宅資産を持っていた方が有利だ

 株価も不動産もインフレしているが、それは世界的な金融緩和によるカネ余り状況が背景にある。この状態は当面終わりそうにない。日本では、日銀総裁の任期まであと2年程あり、推進してきた異次元金融緩和はそれまで変わりそうにない。世界的にもコロナ禍で金利を上げることは当面できない。

 そうなると、住宅ローンという借入を行いながら、自宅資産を持っておいた方が資産インフレするので有利になる。実際、その行動を取った弊社運営の住まいサーフィンの会員の自宅を査定した結果は2200万円の資産膨れであった。

 自宅の資産価値は都心・駅近物件ならいつ購入しても値上がってきた事実がある。しかし、こうした好立地の物件が高過ぎるなら、「8000万円のマンションはムリ」それでも新築物件を買いたい人に教える3つの妥協条件」を参考にして欲しい。

 年収400万円以上の社員には、持家取得を後押しするべきだ

 自宅が安全でインフレしやすい資産であることと老後に資金をかけずに住み続けることを考えると、会社の住宅手当制度は持家促進をすべきであることは明白である。年収が400万円を超えると住宅ローンの借り入れ条件は良くなるので、それ以下の年収の社員には家賃補助を中心に、それ以上は持家取得のインセンティブが理想的で、そうしたマイホームに関する教育も人事部は考えたほうがいい。

 持家促進に最も適した制度に財形貯蓄制度がある。財形貯蓄制度は、企業側で給与から一定額を天引きして貯蓄する制度だ。この積立額の10倍の住宅購入融資額(上限4000万円)が受けられる、財形持家転貸融資というものがある。月3万円で5年間貯蓄をすれば180万円。これだけで1800万円の住宅ローンが今なら5年固定で0.68%の低利で借りられるのだ。

 この融資は金融機関から事業会社を経て転貸する形を取るので、事業会社が負担軽減措置を取ることが推奨されている。つまり、制度設計によっては返済の金利を会社に肩代わりさせることもできる。

 この制度の唯一のデメリットは退職時に一括返済する必要があることだろう。だからこそ、企業にとっては長期に働く人材確保に役立つ側面もある。しかし、利用者も退職と同時に売却すればデメリットにもならないはずだ。

 というのも、私は、自宅は若いうちから独身でも購入し、世帯人数に合わせて5~10年で住み替えを推奨している。資産形成しているなら、売ることで利益確定したら現金が増えていることになる。そんな選択肢を真剣に検討してはいかがだろう。

 

 沖 有人(おき・ゆうじん)

 スタイルアクト代表

 1988年、慶應義塾大学経済学部卒業。監査法人トーマツ系列のコンサルティング会社、不動産コンサルティング会社を経て、1998年にアトラクターズ・ラボ株式会社(現在のスタイルアクト株式会社)を設立、代表取締役に就任。著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『独身こそ自宅マンションを買いなさい』(朝日新聞出版)など多数。分譲マンション情報サイト「住まいサーフィン」、独身の住まい探し情報サイト「家活」を運営している。

 

 (スタイルアクト代表 沖 有人)(PRESIDENT Online)

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