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交通事故死者全国ワーストの汚名返上へ 警視庁

 春の全国交通安全運動が6日から始まり、警視庁は東京都内各所で啓発や取り締まりを行った。昨年、東京は交通事故が大幅に減少した一方で死者が急増し、53年ぶりに全国ワースト1位になった。全国的に死者数が減少傾向にある中、都内の増加が突出した形で、同庁は危機感を強めている。新型コロナウイルスの感染拡大で屋内での啓発イベントなどが制限されるが、インターネット配信の交通安全教室を初開催するなど工夫を重ね、交通安全を呼びかけている。(吉沢智美)

 新宿区立四谷第六小学校(新宿区大京町)ではこの日、入学したばかりの1年生を対象に交通安全教室が開かれ、斉藤実警視総監らが事故防止の心がけを伝授した。

 「道路を渡るときは信号をよく見て、青色になってもすぐ渡らないで」「車がきてないか確認してから手を上げて渡ってください」

 新1年生77人が左右確認や手を挙げるなどの注意点をレクチャーされ、信号機のない横断歩道の渡り方などを練習した。

 都内では昨年、交通事故は前年比4825件減の2万5642件だったが、死者は同比22人増の155人となり、53年ぶりに全国ワースト1位に転落した。

 死者増は新型コロナの感染拡大の影響が指摘されている。同庁の担当者は「外出自粛などによってすいた道路で車やバイクがスピードを出し、重大事故につながるケースが増えた可能性がある」と分析する。

 日本自動車連盟(JAF)の全国調査では、歩行者保護の意識の乏しさも浮き彫りになった。調査によると、東京都は昨年、信号機のない横断歩道での車の一時停止率が6・6%でワースト2位。停止率が最高だった長野県の72・4%から引き離され、全国平均の21・3%も大幅に下回っている。

 子供を事故から守ることも重要課題だ。

 子供の事故傾向をまとめた警察庁の統計(平成28年~令和2年の合計)によると、歩行中の小学生の死亡・重傷事故で、最も多かった原因は「飛び出し」で38%。横断歩道以外の場所を渡るなどの「横断違反」も17%あった。自転車に乗っているときや歩行中の小学生の死亡・重傷事故は放課後にあたる午後4~5時台に多発していた。

 ただ、新型コロナの感染が拡大していることから、警視庁は屋内イベントを見送る一方、車両パレードや在宅でも可能な交通安全の呼びかけを進めている。

 交通安全運動に先立ち、3月にはアイドルグループ「ももいろクローバーZ」による交通安全教室を、インターネットで生配信する初の取り組みを行った。配信を録画した動画などは、同庁交通部特設ホームページ「TOKYO SAFETY ACTION」で視聴できる。

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