国内

政府、感染急拡大に危機感 緊急事態宣言の再発令は慎重

 政府は東京都や大阪府で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることに神経をとがらせている。ただ、3月に解除した緊急事態宣言の再発令は、現時点では「全国的かつ急速な蔓延」という適用要件を満たさないとみており、慎重な姿勢を崩していない。

 小池百合子都知事は7日、関西での変異株の広がりに言及した上で、特別措置法に基づく蔓延防止等重点措置の適用について「(緊急事態宣言の解除に東京と大阪で)3週間のタイムラグがあるが、それらを考慮しても判断すべき段階ではないか」と指摘した。

 政府は大阪での感染急拡大にも警戒を強めている。政府分科会の尾身茂会長は7日の衆院厚生労働委員会で、大阪の感染拡大について「変異株の影響が多少ある可能性は否定できないが、主たる原因は人々の行動だ」との見方を示した。

 ただ、政府は当面、大阪に5日から適用された措置に伴う効果などを見極める構えで、緊急事態宣言の再発令には慎重だ。大阪府の吉村洋文知事も「緊急事態とほぼ同じことを(府民に)お願いしている」とし、国への発令要請には否定的な姿勢を示した。

 一方、政府は年明け以降の緊急事態宣言で首都圏の東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を一体で扱ったが、重点措置は「局所的にやっていく」(政府高官)として、個別に判断する構えだ。

 首都圏の3県には適用の申請に慎重な姿勢も目立つ。埼玉県の大野元裕知事は7日、措置について「常に選択肢の一つとして検討しており、近く総合的に判断したい。今の段階で決断はしていない」と語った。神奈川県の黒岩祐治知事は「すぐにお願いする状況ではない。しばらく様子を見て判断したい」と述べた。

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