海外情勢

米FRB議長、利上げに先立ち「かなり前から」量的緩和縮小 慎重にゼロ金利解除

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、景気回復に伴う利上げ開始の「かなり前から」資産購入額の削減に乗り出す方針を示した。新型コロナウイルス危機の打撃をしのぐ事実上のゼロ金利などの金融緩和策について、金融資産を購入する量的緩和策の縮小から段階的に進め、慎重にゼロ金利を解除する考えを強調した。

 FRBは国債と住宅ローン担保証券(MBS)を月1200億ドル(約13兆2千億円)買い入れる量的緩和を実施している。パウエル氏はオンライン討論会で、2%の物価目標と雇用最大化に向けて「実質的に進展すれば資産購入額を削減するときが訪れる」と説明。ゼロ金利の解除より大幅に早い段階で、まず購入資産額を削減して量的緩和縮小に着手するとした。

 パウエル氏は、大規模な財政出動やワクチン普及で「経済成長が加速し、さらに雇用を創出する時期に入りつつある」と分析した。一方、景気改善を受けた物価上昇は一時的なものになるとの見方を改めて示し、慎重に経済データを見定めて金融政策を判断する立場を確認した。

 量的緩和縮小を開始する具体的な時期への言及は避けたが、FRBを含む主要な中央銀行が2023年末まで超低金利を継続する公算が極めて高いとした。

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