海外情勢

バイデン米大統領、9月11日までのアフガン撤収を正式発表 対中に注力を強調

 【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は14日、ホワイトハウスで演説し、「米国の最も長い戦争を終わらせる時だ」として、米中枢同時テロから20年となる9月11日までにアフガニスタン駐留米軍を完全撤収させると正式発表した。「独善的な態度を強める中国との争いのために米国の競争力を下支えしなくてはならない」とも強調。米兵約2400人、アフガンの民間人数万人が犠牲となった同国での「テロとの戦い」を終結させる一方で、中国をはじめとする権威主義体制の台頭に対抗する同盟の強化に注力する姿勢を改めて打ち出した。

 バイデン氏は、国際テロ組織アルカーイダの掃討や、アフガンがテロリストの温床と化すのを防ぐという駐留米軍の本来の目的は「すでに達せられている」と指摘。アルカーイダやイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などのテロネットワークが世界各地に拡散する中、アフガン駐留に多大なコストをかけることはできないとした。

 一方で、米軍撤収後にアフガン情勢の混迷が深まるとの懸念を念頭に「アフガン政府や国軍、治安部隊への支援は継続する」と述べ、外交や人道支援を通じて同国の安定に関与し続ける考えを示した。

 また、「軍事力に頼った外交という考えを変えるべきだ」とも語り、米軍を撤収させても米国の信頼性や影響力が損なわれることはないとの考えを強調。アフガンに深い利害関係を持つロシアや中国、パキスタン、インド、トルコなどの周辺国は、より積極的にアフガン安定化への役割を果たすべきだとした。

 バイデン政権は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国際部隊とも足並みをそろえ、トランプ前政権がイスラム原理主義勢力タリバンとの和平合意で撤収期限とした5月1日から撤収に着手する。

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