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ベトナム コロナ禍で「エドテック」産業にチャンス

 世界銀行は、各国の教育・健康に関するデータに基づき、18歳時点の労働者としての能力を示す人的資本指標を作成している。2020年のリポートによると、ベトナムの人的資本指標は東南アジア各国を上回り、1人当たり国内総生産(GDP)が10倍近い米国に匹敵する水準だ。これは、ベトナムの教育水準が高いためであり、向学心旺盛な国民性もあって家計支出に占める私教育の割合がアジアで2番目に高いとする調査もある。

 所得の高成長を背景として今後も成長が予想されるベトナムの教育市場に、新型コロナウイルス禍で新たなチャンスが訪れている。コロナ禍で厳格な活動制限が敷かれる中、教育も例外ではなく、登校日の3割以上が休校となった。休校に伴って急拡大が見込まれるのが、教育にICTを活用した「エドテック」産業だ。多くの学校はオンライン授業を提供するシステムを備えていなかったため、これを機に企業が提供するEラーニングサービスに対する需要が急速に拡大した。

 国内大手企業が運営する学習プラットフォームでは、登録者数がコロナ危機前の4倍となる500万人になった。また、外資によるベトナム企業への出資額は、20年はコロナ禍によって製造業を中心に前年比4割超減少したが、教育分野は約1.8倍に増加した。この背景には、教育分野での外資規制の緩和が加速したこともあり、ベトナム教育産業はコロナ禍で一層拡大している。(日本政策投資銀行経済調査室 崎山公希)(編集協力=日本政策投資銀行)

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