海外情勢

米経済、成長加速局面入り 地区連銀報告「労働力と原材料不足」

 米連邦準備制度理事会(FRB)が14日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済活動のペースが上向き、消費も改善する中、労働力などの不足が物価に波及しつつある。同日講演したパウエル議長は、経済成長や雇用拡大が加速局面に入ったとの認識を示し、政策転換に向け、物価や雇用情報を注視すると表明した。

 ベージュブックでは「全国的な経済活動は、2月遅くから4月初めに緩やかなペースに加速した」と指摘。また「消費は力強さを増した。観光業に関する報告はより前向きな内容となった。レジャー活動や旅行に対する需要の上向きに支えられた」としている。

 米経済の複数の分野で労働力と原材料の不足がともに増大しているとし、この影響で燃料から新築住宅まであらゆる消費者物価が上昇している可能性を指摘した。

 パウエル議長は同日、エコノミック・クラブ・オブ・ワシントンが主催したバーチャル形式のイベントで講演し、米経済の現状について、「成長と雇用創出のペースが加速する時期に入りつつあり、喜ばしい」と指摘。その上で、「主なリスクは新型コロナウイルスの感染が再び急増することだろう。変異株の一つは治療がより難しい可能性がある」と述べた。

 今後の金融政策について「われわれの目標に向け、昨年12月に公表した金融政策のガイダンス(指針)から一段と顕著な進展があれば、資産購入(を通した量的緩和策)のテーパリング(段階的縮小)に乗り出すことになるだろう」と語った。

 その上で、「それは利上げを検討する時期よりもかなり前になることはほぼ確実だ。この順序については採決していないが、これがガイダンスの意味するところだ」と説明し、利上げを検討する前にまず量的緩和策を縮小する考えを示した。

 利上げの時期については、インフレ率が持続的に2%に達し、労働市場が完全に回復するのを待って検討すると説明。年内にこうした状況に至る可能性は低いと指摘した。最新の連邦公開市場委員会(FOMC)予測では、2023年末まで政策金利がゼロ近辺にとどまるとの見通しが示されている。

 議長は量的緩和策の出口戦略にも言及。資産購入がゼロになると保有資産の規模は一定となり、債券の償還時に同額を購入することになるとした上で、バーナンキ議長時代の出口戦略として実施した債券のランオフ(償還に伴う保有残高減少)に触れ、「われわれはまだそれを行うかどうか決めていない」と述べた。また、「市場で実際に債券を売却することは考えていない」と話した。(ブルームバーグ Catarina Saraiva、Alister Bull)

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