菅首相記者会見詳報

(4)「変異株の対策を行うことが大事」

 --政権の変異株に対する認識が甘かったのではないか。3度目の緊急事態宣言を出すことへの首相の政治責任は

 「まず、先般の緊急事態宣言の解除については、感染者数や病床など、状況に基づいて専門家の意見を伺った上で解除しました。例えば大阪ですけども。実際は当時、解除したときは、新規感染者数は72名でした。私たちはステージ4からステージ3になれば、一つの目安に解除するものとしておりました。ステージ3が315までステージ2が280、189までです。大阪ではそれが72名。そして病床も、ステージ4が50、そしてステージ2が20、その時病床は29.8でありましたけども、全体として、このような状況で、中で解除したということであります。

 そして、今回の緊急事態宣言に至ったというのがやはり、変異株が、私、冒頭申し上げましたけど、大阪、兵庫で8割が変異株でありますから、そうした変異株の対策を行うことが大事だというふうに思ってます。

 ただ、その対策を講じることというのは、基本的な従来の対策をしっかりやること。そういうことの中で、対策をそちらの勢いの方が強かったということだというふうに思います。それで今回、人流をこのゴールデンウイークを中心として、短期間の間ですけども、止めさせていただく、そういう対策を講じたということです。

 --政府は飲食の場を急所と定めて中心に対策を打ってきましたが、今回は人の流れの抑制という強い措置への転換を迫られた。飲食中心の対策の判断は誤りだったのではないか。蔓延(まんえん)防止等重点措置の要請検討を表明した北海道の現状をどう分析しているか。近々の適用はあるか

 「まず、北海道については日々緊密に連携をとっており、来週火曜日から21時までの時間短縮、これを行うというふうに聞いております。いずれにしろ、連携しながら、感染拡大を食い止めていきたい、このように思います。

 それで、この今回の緊急事態宣言に至ったという過程の中で、先ほど私、申し上げました通りに、やはり、変異株が大阪、兵庫を中心として約8割でありますから、拡大が大きく続いているという、そういう中で、若い人が、感染する方が非常に今回多いのが特徴でありまして、若い人から家庭に帰って家族に、という、そうしたことを考えたときに、人流を止める必要があるという、尾身先生(政府新型コロナ分科会会長)をはじめ専門家の先生がたのご指摘の中で今回取らさせていただきました。(尾身)先生からもよろしいですか」

 尾身茂会長「ご質問は、前は飲食の場というのを中心にやっていたのが、今回はあの人の流れということで、なぜ変えたかっていうことだと思いますけども、私は基本的には、あの変異株のこともあって今の日本の状況は、間違いなく新しいフェーズに入ったと思います。

 それにはいくつか理由がありまして、一つは感染の場が多様化しているということであります。それから今、総理もおっしゃったように、あの感染、変異株の影響もあって、感染がしやすくなっていると同時に、比較的若い年齢層でも重症化しているというようなこともあります。で、今、ここまで感染が広がってきますと、これ、いわゆるこれからも飲食店での時短というのはこれからも、もちろん重要ですけど、実は、人と人との接触の機会をなるべく避けるということが今、一番求められていると思います。

 そういう意味では、商業店の休業要請というようなものは、実は人と人の接触の機会をできるだけ避けるための環境作りということだと思いますので、今回はこういう状況になってますので、人と人の接触の機会をできるだけ避けるということが私は最大の目標だと思います」

=(5)へ続く

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