国内

10年後に幼保一元化を 自民が導入検討 免許資格も統一

 自民党が、管轄する府省が異なる幼稚園と保育園、認定こども園を統合する「幼保一元化」について、10年後に導入する案を検討していることが14日、分かった。幼稚園教諭と保育士の免許資格の統一化も併せて検討。幼保を一元化した上で、政府与党が創設に向けた議論を進める「こども庁」に担わせる方向で、政府が夏にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させたい考えだ。

 案は14日の自民党「こども・若者」輝く未来創造本部(本部長・二階俊博幹事長)の幹部会で示された。

 現在、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省、認定こども園は内閣府がそれぞれ担っている。子供を預けられる時間が8時間超と長い保育園や認定こども園と、4時間を標準とする幼稚園を一元化すれば、空いた時間を保育施設として活用する幼稚園が増えるなど待機児童の解消につながることが期待される。

 併せて、文科省が所管し教育職員免許法が規定する幼稚園教諭と、厚労省が所管し児童福祉法が定める保育士の資格も統合する案が出ている。幼稚園と保育園を一緒にした認定こども園は基本的に幼稚園教諭と保育士の資格の双方を持つ保育教諭が担っている。

 「こども庁」創設に前向きな菅義偉首相(自民党総裁)の指示で、総裁直属機関として新設された同本部は、「こども庁」設置法などを含む基本法を令和4年の通常国会に議員立法として提出する方針だ。

 ただ、一元化をめぐっては、省庁再編に直結することに加え、それぞれの業界団体もあり、慎重な意見も根強い。秋までに行われる衆院選を控え、骨太方針に向けた同本部の案は一元化の時期を「10年後」としたが、本部の幹部会の出席者によると、一元化への反対意見も複数出たという。

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