海外情勢

米EV計画推進を強調 バイデン氏、中国との対決姿勢鮮明に

 バイデン米大統領は18日、ミシガン州にあるフォード・モーターの新工場を視察した際の演説で、1740億ドル(約19兆円)規模の電気自動車(EV)振興策の重要性を強調した。ただ自動車業界では、世界的な半導体不足が生産の足かせになっている。

 ミシガン州ディアボーンのルージュEVセンターで同社主力ピックアップトラックのEVモデル「F-150ライトニング」を発表より一足早く披露されたバイデン大統領は、「自動車業界の未来は電気だ。逆戻りはない」と語り、世界のEV市場をリードするため中国と対決していく姿勢を鮮明にした。

 中間所得層の利益に

 F-150はいろいろな意味で、バイデン政権のインフラ計画が中間所得層の利益になることを示す絶好の機会となる。年間420億ドルの収入を生み出すこの超人気のピックアップトラックは、共和党の強い「赤い州」での販売が好調で、テキサス州は売り上げトップを誇る。つまり、主に東西沿岸部で暮らすエリート層向けというEVに対する長年の認識を覆す上で効果的というわけだ。

 バイデン大統領は米国がEV市場規模と電池生産の両方で中国に出遅れていると認めながらも、「中国がこの競争で勝利することはない。中国には勝たせない。われわれは迅速に動かなければならず、あなた方がここでやっていることがそれに当たる」と強調した。

 バイデン氏のインフラ計画には施設の更新や再開に向けた助成金のほか、クリーンエネルギー車両の国内生産向け低利融資、充電ステーション50万カ所設置に向けた資金拠出、EVを購入した消費者へのリベートなどが盛り込まれている。

 半導体不足の打撃

 ホワイトハウスは大統領がミシガンに出発する直前に発表したファクトシートで「米国は技術の先駆者であるにもかかわらず、EVと車載電池の生産競争に後れをとっている。今日、プラグインハイブリッド車(PHEV)販売の米市場シェアは中国のEV市場の3分の1しかない」と指摘した。

 ただ、世界的な半導体不足が自動車産業を困難な状況に陥らせており、先週発表された新たな見積もりによると、自動車メーカーの費用負担は1100億ドルに達する可能性がある。

 フォードは半導体不足により4~6月期(第2四半期)に計画していた生産の約半分が失われ、今年の利益に25億ドル相当の打撃を受けるとの見通しを示している。今年の生産台数が110万台減少するとも予測する。

 バイデン政権は半導体の供給不足が数カ月続く可能性が高いと認め、生産の国内移管を一段と進める方針を表明している。政権のインフラ計画には、半導体の研究開発(R&D)向け拠出として500億ドルが含まれる。

 一方、レモンド商務長官はフォードなど半導体不足の影響を受ける企業幹部と問題を協議するため、20日に会合を開く。(ブルームバーグ Justin Sink、Keith Naughton)

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