海外情勢

中国の景気回復の勢い頭打ち 5月製造業PMI、前月並み水準

 中国の製造業活動を測る5月の政府の指数は前月並みの水準にとどまった。投入価格の急上昇が比較的小規模のメーカーの重しとなっており、景気回復の勢いが差し当たり頭打ちとなった可能性を示唆している。

 国家統計局が31日発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI)は51。4月は51.1、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値も51.1だった。

 建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは5月に55.2と、前月の54.9から上昇。予想は55.1だった。活動拡大・縮小の節目は50。

 今回の製造業PMIは生産が安定化する状況を示唆している。5月は労働節に伴う連休で前月に比べて営業日が少なかったことも影響した可能性がある。最近の商品価格高騰は金属鉱石や石炭など原材料を調達する企業を中心に利益の重しとなる一方、米国の経済活動再開や景気持ち直しにもかかわらず、5月の新規輸出受注指数は48.3と前月の50.4から低下した。

 HSBCホールディングスの経済調査共同責任者、屈宏斌氏はブルームバーグ・テレビとのインタビューで、今回のデータについて「中国経済の持ち直しペースが鈍ってきている」様子が裏付けられたと指摘。「中国の回復の勢いはピークを既に過ぎた」と述べた。

 製造業PMIの小規模企業指数は48.8と4月の50.8から低下しており、「小規模製造業が持続成長の勢いをなお欠いていることを反映した」と国家統計局でシニア統計学者を務める趙慶河氏が声明で分析した。

 野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏は成長リスクが今年後半に高まりつつあると指摘。ペントアップ需要(繰越需要)が今後弱まり、先進国がモノよりもサービス消費に軸足を移す中で、輸出の勢いは減速すると見込んでいる。

 陸氏はPMI発表前の31日のリポートで、政府による不動産引き締め策が成長の足かせとなるほか、原材料高も実需の抑制要因になると指摘。成長率が4~6月期(第2四半期)見通しの8.1%から10~12月期(第4四半期)には5.3%に鈍化すると予想した。

 製造業の投入価格指数は5月に72.8と、2010年以来の高水準。華興証券(香港)のマクロ・戦略調査責任者、●溟氏は31日のリポートで、商品高に伴う「インフレ圧力の高まり」を示唆しているとした。

 一方、サービス業は今年に入り回復傾向にある。国内旅行規制の追加緩和を受けて労働節連休中の旅行が急増し、新型コロナウイルス禍前の水準を上回るなどペントアップ需要を一部掘り起こした。だが、国内消費の回復ペースは工業セクターに比べてなお出遅れている。(Bloomberg News)

●=広のムが龍

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