海外情勢

米の成長加速、物価圧力高まる 娯楽・宿泊が活発化

 米連邦準備制度理事会(FRB)が2日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、米経済は過去2カ月に回復ペースが加速し、企業が人手不足とコスト上昇に取り組む中で物価上昇圧力が高まった。

 この中で「米経済は4月初旬から5月下旬にかけて緩やかなペースで拡大し、前回報告よりも幾らか速いペースになった」「全体的な物価上昇圧力は前回報告からさらに強まった。販売価格は緩やかに上昇したが、仕入れコストはもっと明白に上昇した」としている。

 需要の高まりを受けて仕入れコストの上昇を顧客に転嫁できる企業もあった。「今後について、企業はこの先数カ月、コスト上昇と価格引き上げを予想している」という。

 ベージュブックは仕入れ価格の高騰やサプライチェーン(供給網)の障害、労働者不足で苦慮している企業の例を指摘。例えば、セントルイスでは外食団体が100を超えるポストを埋めるために就職説明会を開催したが、参加者は十数人にとどまったという。

 新型コロナウイルスワクチン接種者の旅行需要が強まり、娯楽・ホスピタリティー産業は事業活動が活発になったと報告。ニューヨークでは新型コロナが流行し始めて以来、ホテルの客室稼働率が初めて50%を突破し、宿泊料金が上昇。美術館やレストランでも回復が見られた。

 ワクチンの接種加速で見通しが明るくなる中、FRBはどの程度迅速に金融緩和策を縮小するかを検討している。連邦公開市場委員会(FOMC)は今月15、16両日の会合後に、金利や成長率、失業率、インフレについて最新の四半期予測を公表する。FOMCは月1200億ドル(約13兆1700億円)の量的金融緩和策について、目標である最大限の雇用と物価安定に向けて「一段と顕著な進展」があるまで維持すると表明している。

 ◆社債・ETF売却へ

 一方、FRBは2日、コロナ禍に伴う金融市場の動揺を沈静化するため昨年3月に導入した既発社債や上場投資信託(ETF)の購入制度に基づいた購入分を段階的に売却すると発表した。金融政策とは無関係で、政策についてのシグナルでもないとしている。

 一連の社債やETFの保有残高は137億ドル前後。まずETFの売却を皮切りとして、夏には社債の売却にも着手し、年内に完了させたい意向。(ブルームバーグ Steve Matthews、Craig Torres)

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