海外情勢

〈独自〉露、大和堆周辺海域でミサイル演習通告

 ロシア政府が日本の排他的経済水域(EEZ)にある好漁場「大和堆(やまとたい)」を含む日本海で「ミサイル射撃」を行うと日本政府側に通告したことが5日、政府関係者への取材で分かった。国際法では他国のEEZ内での軍事演習を明確に禁じていないが、ロシア軍は日本海で軍事活動を活発化させる一方、不法占拠する北方領土でも演習を繰り返している。政府は新たな演習についても情報収集を行い、ロシア側の意図について慎重に分析を進める方針だ。

 政府関係者によると、ロシア政府は大和堆など日本のEEZ周辺を含む日本海の広大な海域を指定し、今月7日から9日にかけて毎日、ミサイル射撃を行うと通告した。ロシア海軍によるミサイル演習の可能性がある。

 「海の憲法」とされる国連海洋法条約では、EEZの海洋資源を保護するための法令に基づく法執行を沿岸国に認める一方で、軍事演習などに明確な規制はない。ただ、同条約は他国のEEZ内での行動については「妥当な考慮」を払うことなどを求めている。

 ロシア軍は一昨年7月と昨年12月の2回にわたり、中国軍の爆撃機とともに日本海の上空を共同飛行するなど、日本海での軍事プレゼンスを強化している。

 また、北方領土では地対空ミサイルシステムを実戦配備したとされ、今年2月と6月には大規模な軍事演習を実施しており、政府はロシア軍の活動が日本周辺で活発化しているとみて警戒を強めている。

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