海外情勢

ミャンマー政変から半年 国軍支配長期化の兆し (1/2ページ)

 【シンガポール=森浩】ミャンマー国軍がクーデターで実権を握ってから1日で半年となる。国軍はクーデターに抵抗する市民を武力で押さえ込み、弾圧による死者は939人(7月30日時点)。国際社会は有効な圧力を打ち出せず、強権的な国軍の支配は長期化の兆しが見える。

 国軍は7月26日、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が大勝した昨年11月の総選挙結果を無効とした。ミン・アウン・フライン総司令官は次回総選挙は「2年後」と表明。国軍は今後、国軍系政党に有利な選挙制度作りを進めつつ、拘束したスー・チー氏に近い民主派の徹底排除を進める方針だ。

 ミャンマー国内では抗議デモは縮小傾向にあるが、武装した市民と国軍の衝突は続いている。公務員らが標的となるテロ事件も相次いでおり、治安は不安定化している。

 国内は、政局混乱で経済が冷え込んだ上、新型コロナウイルスの流行に歯止めがかからない。「100万人以上が失業する」との試算もあり、貧困の拡大が懸念されている。弾圧も続き、市民の国軍への怒りは半年を経てなお高まっている。

 「怒りと絶望の半年だった。この地獄は続くだろう」。最大都市ヤンゴンに住む会社員の女性(28)は産経新聞通信員の取材に、この半年間の生活を振り返った。

 成長軌道にあった経済はクーデター後に低迷。世界銀行は7月26日、ミャンマーの2021年会計年度(20年10月~21年9月)の経済成長率が18%減になるとの見通しを発表した。経済規模は30%縮小し約100万人の雇用が失われる可能性があるという。

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