国内

二階幹事長在職5年 自派優遇に不満の声、続投布石も

 自民党の二階俊博幹事長の在職期間が3日で5年を迎えた。老練な手腕で安倍晋三前首相、菅義偉首相を支え、歴代最長記録を更新し続ける。一方、党内では自ら率いる二階派(志帥会)を優遇する強引な手法に不満もくすぶり、次の党役員人事で続投するかどうかが焦点となる。

 「毎日が全力投球だ。党員・党友の皆さんのご協力のおかげで今日までたどりつくことができた」

 二階氏は3日の記者会見でこう述べ、5年間を振り返った。二階氏は平成28年8月に幹事長に就任。昨年9月には政治の師と仰ぐ田中角栄元首相の在職日数を抜いて歴代最長となった。党則改正を主導して安倍氏の総裁連続3選を実現したほか、昨年9月の総裁選では菅政権誕生の流れをつくるなど実績も豊富だ。公明党や東京都の小池百合子知事とのパイプも築く。

 ただ、交代を望む声も少なくない。二階派に野党出身議員らを引き込み、選挙区の党公認をめぐって他派閥と摩擦を生むことも目立つ。あるベテラン議員は「二階氏は自分のことばっかりだ」と漏らす。中堅議員は「幹事長が代われば自民党の支持は上がる」と指摘する。

 だが、二階氏本人はどこ吹く風だ。次期総裁選での首相再選を早々と打ち出し、秋以降の続投に布石を打つ。二階氏周辺は「菅政権が続く限り二階氏は代えられない」とみる。二階氏は3日の記者会見で「しっかり謙虚に取り組みたい」と話した。

(広池慶一)

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