菅首相記者会見詳報

(6)「保健所のあり方も問題あった」

=(5)から

 --与野党から日本版CDC(米疾病対策センター)のような司令塔を立ち上げるべきだという意見があがっている。どういう感染症対策の行政組織が望ましいか

 首相「まず、感染症対策というのは、厚労省の中でもさまざまな局があります。ワクチン治療薬の開発・承認するところとか、薬価・診療報酬だとか、あるいは医療機関への要請、医療物資の確保、これぐらいの局がありますから、そうした局、そしてまた縦割りを乗り越えるために、各省庁間を横断する対策本部、これも国としてはつくってきました。

 例えば、分かりやすいのが、このワクチン接種ですけれども、これもやはり厚労省ではなくて、総務省にも、厚労省だけじゃなくて総務省に入ってもらって、さらに、必要なものについては、経産省とか国交省とか、全部入って対応していきました。

 ですから厚労省だけでなくて、これだけ大きなことというのは国を挙げて行わなきゃならないと。そういう意味で、まずしっかり体制を整える。それと同時に国と地方の関係もそうです。国と自治体とのこれ、壁もありますから。

 さらに、保健所のあり方というのも、やはりさまざまな問題があったというふうに思ってます。保健所に対して厚労省から直接はなかなか指揮することはできないわけですから。東京都からもなかなかできない。東京23区で言えば、23区で、その保健所というのは管轄になってますので、そうした行政組織全体もですね、こうした新型コロナのような状況については、日本でさまざまなことを対応することができるような、そうした組織というのがやはり必要かなというふうに思ってます」

 尾身氏「私は日本の行政というものは、もう行政官、本当に休みもなくですね、深夜まで働いて、そういう意味では本当に心より敬意を表したいと思います。そういう中で、これからより良くするために、私自身が専門家として感じたことはですね、例えば、ワクチン接種というものについては首相がリーダーシップでかなり進みましたよね。

 ところが、これまでにいろんな問題が、例えば、疫学情報の自治体間、あるいは自治体と国との共有というのは、これはもう感染対策のそれこそ一丁目一番地だし、あるいは保健所の機能の強化あるいは検査のキャパシティーの強化など、さまざまな問題があったわけですけども、その問題については私は政府は十分認識していたと思いますけども、一つのこれからの改善すべき点としては、問題は認識していたんだけど、それを解決するための責任の所在というものが少し、私は曖昧であったんだというふうに思います。

 今申し上げた例えばですね、疫学情報の共有というものを、実はそれを解決するためには、単に医学的なことだけではなくて、地方分権の問題、国と地方のあり方、あるいは個人情報の問題など、これは単に一つの問題だけを解決するというようなことでは、私は難しいと思います。

 広い観点での深い分析が必要だと思いますけど、日本ではある特定の研究テーマについて、研究費を出して、それに関して、時間をかけて分析するというシステムは、これは非常に優れたものがありますけども、こういう危機の状況で新たな直面する課題が出てくるわけですよね。

 それについて、短期間で多様な専門家、これは医療だけじゃなくて、そういう集まるような仕組みが少し不十分だったと思います。したがってこれから求められるのは、政府内にコアの専門家というのは当然必要ですけども、非常時にはですね、これはあらかじめ決めておくことが必要で、『ロスター』と言いますけど、非常時には、あらかじめ日本にいろんな人的資源がありますから、そういう人たちにあらかじめこういう場合には来てくれという任命をしておいて、それがボタンが押されればすぐにそうした専門家集団が集まって、政府あるいは首相に助言するという仕組みを、私はこれから作るべき、これが一つ行政の、この経験をして学んだことではないかなと私は思います」

=(7)に続く

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