国内

安倍氏や支持層に配慮、総裁選で保守アピール続々

 菅義偉首相(自民党総裁)の後継を争う総裁選(17日告示、29日投開票)は、現状で出馬を決めた顔ぶれがこぞって保守的な政策をアピールする展開になっている。保守的な政治信条を持ち、首相退任後も大きな影響力がある安倍晋三前首相や党の岩盤支持層といわれる保守層に配慮した面がありそうだ。

 岸田文雄前政調会長は9日、東京都内で記者団に「憲法改正を進めることは(党内で)確認している。国会で発議し、国民に投票してもらう作業を進めたい」と述べた。母方にのみ天皇の血筋を引く女系天皇についても「私は反対だ」と重ねて明言した。

 岸田氏が保守的な立場を打ち出すのは、改憲を目指し、女系天皇を否定する安倍氏や、その出身派閥の細田派(清和政策研究会、96人)の協力を得たいためとみられる。安倍氏は総裁選で高市早苗前総務相を支援しているが、岸田氏側には、河野太郎ワクチン担当相との決選投票となった場合に、安倍氏らの加勢を期待する向きもある。

 高市氏は9日のインターネット番組で、北朝鮮による日本人拉致問題解決に意欲を示した。8日の出馬表明記者会見では改憲や靖国神社参拝、選択的夫婦別姓制度の導入反対、皇位継承の男系維持など保守色を前面に出した。

 安倍氏の高市氏支援の目的は「衆院選で党の岩盤支持層といわれる30%の保守の後押しを得るため、受け皿となる旗を立てた」(細田派ベテラン)ともいわれる。高市氏は論戦を通じて保守票の掘り起こしに期待を込める。

 河野氏は8日の安倍氏との面会後、記者団に皇室観について「125代男系で続いているのが、日本の天皇の一つのあり方だ」と語った。防衛相時代の昨年8月には「内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れることもあるのではないか」と述べ、女系天皇も容認する構えを示していたが、軌道修正した形だ。

 エネルギー政策をめぐっては記者団を前に「脱原発」の主張を抑制。安倍氏に限らず党内には河野氏が皇室関係や原子力政策で「暴走する」との懸念が根強く、持論封印で幅広い支持を得る狙いが透ける。ただ、天皇陛下は第126代で、皇室への認識の甘さを露呈したとの指摘もある。中堅議員は「ポーズだけで、首相になった途端に本性を現す可能性はある」と警戒を隠さない。(沢田大典)

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