国内

茂木氏は総裁選不出馬 試される第3勢力の竹下派

 自民党竹下派(平成研究会)会長代行の茂木敏充外相が9日、党総裁選(17日告示、29日投開票)への不出馬を表明した。52人を抱える党第3派閥だけに、同派の動向は総裁選を左右する可能性がある。ただ、過去の総裁選では衆参の意見対立が表面化したこともある。かつて同派が誇った「鉄の結束」を取り戻し、総裁選を有利な形で乗り切ることができるか、茂木氏の力量も問われる。

 「今回は独自候補を出すのは難しい」

 茂木氏は9日の派閥会合後、記者団にこう述べた。不出馬の理由として、療養中の竹下亘会長から派のとりまとめ役を託されていることや、外相としてアフガニスタン情勢に注力する必要があることを挙げた。

 派内には茂木氏の出馬を促す意見もあった。若手は「総裁候補だと示すためにも出馬すべきだ」と訴え、参院側からも「候補者が乱立するなら茂木氏も出るべきだ。他派閥の草刈り場になるのはご免だ」との声が上がる。茂木氏は「候補を出したいとの強い思いは重く受けとめる」と語った。

 茂木氏の不出馬を受け、焦点は竹下派が結束して総裁選に臨めるかに移る。出馬する岸田文雄前政調会長や高市早苗前総務相、河野太郎ワクチン担当相らにとって、候補を出さない第3派閥の支援は垂(すい)涎(ぜん)の的だ。茂木氏は良好な関係を築く安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相らとの連携を続けながら、派の存在感を最大化したい考えだ。

 ただ、安倍氏と石破茂元幹事長が競った平成30年の総裁選では衆参の対応が割れ、派内の意思統一に苦慮した。今回も出馬に意欲を見せる野田聖子幹事長代行や石破氏が、政界引退後も派の参院に影響力を残す青木幹雄元参院議員会長と面会。菅(すが)義(よし)偉(ひで)首相の不出馬表明前には青木氏が首相支持を伝えたとされるなど、参院独自の動きもある。

 業を煮やした茂木氏が「いい加減にしてほしい。参院で何かを決めるのではなく、派として一つの行動をとるべきだ」と派閥会合で参院側に苦言を呈す場面もあった。

 複数の有力候補が立つ今回は、若手を中心に自主投票を求める動きも広がる。総裁候補を擁立せず、対応も四分五裂する結果となれば派の存在感低下は避けられない。それでも水面下で意見集約を進める茂木氏は結束に自信を見せる。9日の会合後には「意思疎通はうまくできている。まとまりは非常に良い」と語った。(石鍋圭)

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