国内

経済界、総裁候補の原発政策注視 河野氏軟化も警戒感

 自民党総裁選をめぐり、経済界が各候補の原発政策を注視している。「脱原発」を掲げてきた河野太郎ワクチン担当相は10日の出馬記者会見で「安全確認された原発再稼働は必要」と従来の態度を軟化させたものの、関係業界は警戒感を隠さない。経済界には電力の安定供給には原発の積極活用が欠かせないとの認識が強く、各候補の論戦の行方を見守っている。

 河野氏は出馬会見で、原発政策に関し、「いずれ原子力はゼロになるんだろうと思っている」と前置きした上で、「2050(令和32)年の、(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラル達成には一つはきちんと省エネを図り、再生可能エネルギーを最大限、最優先で導入する。それでも足りない場合、安全確認された原発を当面再稼働していくことが現実的だ」と説明した。

 河野氏は、平成23年の東京電力福島第1原発事故後に超党派議連の「原発ゼロの会」を立ち上げ、放射性廃棄物の問題を指摘するなど「脱原発」の必要性を訴えてきた。

 電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は10日の記者会見で、総裁候補の原発政策について「(安全性を前提にエネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合を図る)『Sプラス3E』を達成する上でも原子力は必要であり、電力の安定供給に向けて実務的に意見を申し上げていきたい」と語った。

 河野氏は使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルについて「高速増殖炉の実現が困難となった今、継続する意義はない」と発言してきた経緯があり、大手電力関係者は「原発の運転は認めても、核燃料サイクル推進は許さないのではないか」と警戒する。

 オンラインで夏季セミナーを開催中の経済同友会の石村和彦副代表幹事(AGC元会長)は10日、「エネルギー政策で原発をやめるのは将来はそうかもしれないが、今はそうはいかない。明確に時間軸を決めてもらわないと議論にならない」と指摘した。

 原発政策をめぐり、岸田文雄前政調会長は「原発の新増設の前にやることがある。既存の原発の再稼働を進めることが大事」などと主張。高市早苗前総務相は「選択肢として原子力の平和利用は必要」とした上で、安全性の高い地下への(次世代)小型炉の立地や核融合炉の開発推進などを訴えている。

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