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参院自民も「選挙の顔」見定め 来夏参院選が焦点

 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)は参院議員の動向も焦点となる。直後の衆院選だけでなく、来年の参院選での「党の顔」を選ぶ戦いとなる可能性があるからだ。国会議員票は衆院(275票)に比べ108票と少ないが、派閥内での結束は固い。比例代表の選出議員は支持団体などの支援を受けており、党員・党友票にも影響を与える。「参院を制する者は政界を制す」(佐藤栄作元首相)の格言は大げさではない。

 総裁選への出馬を表明している岸田文雄前政調会長は10日、国会内で世耕弘成参院幹事長と面会した。

「よろしくお願いします」

 総裁選への支援を訴える岸田氏に、世耕氏は「頑張ってください」とエールを送った。世耕氏は最大勢力の細田派(清和政策研究会)の参院議員でつくる「清風会」(36人)の会長でもある。

 清風会は党内でも結束が特に強いことで知られる。細田派の下村博文政調会長が総裁選出馬を模索した際は反対論を唱え、立候補断念の一因ともなった。岸田氏も、清風会の影響力を重視したわけだ。

 今回の総裁選は衆院議員の任期満了(10月21日)直前に行われるため、衆院側では選挙地盤の弱い議員を中心に知名度の高い候補に支持が集まる傾向がある。

 一方、参院側の視点は衆院選後にも向く。新総裁が衆院選に勝ったとしても、以後の政権運営につまずけば、来年の参院選に大きな影響が出かねないからだ。参院側は新型コロナウイルス対策が後手に回らないかなど、長期的な視点で能力を見極めようとしている。

 党参院幹部は、今回の総裁選について「最重視しているのは来年の参院選への影響と(組閣などでの)参院側の処遇だ」と語る。

 各派の参院側は影響力を高めるため、今回も結束して対応しようとしている。

 麻生派(志公会)は、同派に所属する河野太郎ワクチン担当相の出馬をめぐり賛否が割れている。会長の麻生太郎副総理兼財務相は河野氏の出馬に慎重な姿勢をみせてきたが、同派の参院議員でつくる「上公会」には河野氏を支持する議員もいる。

 上公会のメンバーは8日、麻生氏と面会し、来年の参院選への影響も含め、総裁選への対応を意見交換した。上公会の会長を務める武見敬三参院議員は面会で「麻生氏の判断を尊重し上公会としても(意見を)まとめたい」と語った。

 竹下派(平成研究会)は青木幹雄元参院議員会長が議員引退後も影響力を残しており、岸田氏ら総裁候補が定期的に青木氏と意見交換を重ねてきた。参院竹下派は、今回の総裁選でもまとまって行動する構えをみせる。(今仲信博)

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