国内

日本とベトナム「新たな段階」 中国を念頭に装備品協定署名 (1/2ページ)

 岸信夫防衛相は11日、ベトナムの首都ハノイでザン国防相と会談し、東・南シナ海で軍事的圧力を強める中国を念頭に、航行の自由や国際法の順守が重要であることを確認した。会談後、山田滝雄・駐ベトナム大使とチエン国防次官が防衛装備品・技術移転協定に署名し、日本からの艦艇分野の装備品輸出に向けて協議を進めていくことで一致した。日本が同協定を結ぶのは11カ国目。

 岸氏とザン氏は会談で、両国の協力関係が「新たな段階」に入ったとの認識を共有。法の支配に基づく国際秩序維持に向けた連携の重要性を確認し、サイバーセキュリティーや衛生分野で協力を促進する覚書の署名へ調整を進めるとした。

 岸氏は会談後、オンラインで記者会見し、「地域や国際社会の平和と安定により積極的に貢献するための協力だ」と強調した。

 両国の防衛協力関係は、艦艇の寄港などを通じて深まってきたが、「新たな段階」とは、両国が地域やグローバルな課題の解決に向けて取り組んでいくことを意味している。

 日本とベトナムに共通する喫緊の課題は中国だ。ベトナムは南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島などの領有権を主張しているが、同諸島周辺では中国海警局の船がベトナム漁船を体当たりで沈めるなど、強硬な手段を取っている。

 東シナ海で中国による現状変更の試みに直面している日本は、ベトナムをはじめとする南シナ海に面した国と連携し、中国の海洋進出を押しとどめる考えだ。岸氏が昨年9月に防衛相に就任して以降、初の外遊先としてベトナムを選んだのも、そのためだ。

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