海外情勢

タリバン暫定政権が女性権利制限 大学でスカーフ義務、クリケット禁止

 【シンガポール=森浩】アフガニスタンで暫定政権を立ち上げたイスラム原理主義勢力タリバンが、女性の権利を制限する動きを強めている。大学では髪を隠すスカーフ着用が義務化され、スポーツ参加も大幅に規制される見通しだ。タリバン幹部は女性の権利保証を約束したが反故(ほご)にした形で、極端なイスラム法解釈を背景にした抑圧が再来する可能性が高い。

 暫定政権のアブドル・バキ・ハッカニ高等教育相代行は12日、女性も大学に通えるとする一方、女子学生には頭を覆うスカーフ「ヒジャブ」着用が義務付けられ、男女共学は禁止されると明らかにした。ハッカニ氏は「国民はイスラム教徒であり、それを受け入れるだろう」と述べた。

 教員も異性に対して教えることは基本的に認められない。ハッカニ氏は女性教員がいない場合、「男性教員が(姿を見せずに)カーテンの後ろから教えることもできる」と説明した。具体的な科目名は明らかにしていないが、イスラム法の内容にそぐわない一部の科目を高等教育のカリキュラムから削除する考えも示した。

 また、タリバン文化担当のワシク幹部は8日、オーストラリアメディアとのインタビューで、アフガンで人気が高いクリケットについて「顔や体が隠されない状態になる可能性がある。イスラム教は女性がそのようになることを認めていない」として、競技参加を禁じる意向を示した。「女性がクリケットをプレーする必要はない」とも述べた。

 タリバンは8月15日の首都カブール制圧後、「女性は働けるし、教育も受けられる。社会に必要な存在だ」と明言してきた。

 だが、今月7日に発表された暫定政権の閣僚33人に女性は含まれておらず、暫定政権では旧タリバン政権(1996~2001年)で女性の権利弾圧を主導した勧善懲悪省を復活させた。

 国連のバチェレ人権高等弁務官は13日、「タリバンが女性の権利を守るという保証とは裏腹に、女性はどんどん公の場から排除されている」と懸念を表明した。

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