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次のリーダー我が街から 総裁選各候補地元の声は

 菅義偉(すがよしひで)首相の後継を決める自民党総裁選が17日、告示され、新型コロナウイルス対策や経済政策、外交問題などを争点とした論戦が始まった。29日に投開票され、日本の未来を導くリーダーが決まる。初めて女性2人が立候補し、初の女性首相誕生への機運も高まる中、各候補者の地元では期待の声が上がり、関係者らは早くも準備に追われていた。

 河野太郎氏

 現役閣僚として唯一立候補した河野太郎ワクチン担当相(58)は、祖父の一郎氏が副総理、父の洋平氏が自民党総裁を務めた名門一家の生まれ。地元の神奈川県では「悲願達成」を望む声が上がった。

 河野氏と約30年の付き合いという平塚商工会議所の常盤卓嗣(たくじ)会頭(66)は、河野氏が初当選時から「総理を目指す」と口にするのを聞いていたといい「時代の先を見越した考えを持っている人。地方が元気になる規制改革を望む」。平塚市議会の数田俊樹議長(39)も「『地域を変えるのは20、30代』と、若い人の声も積極的に聞いてくれる。ぜひ総裁選を勝ち抜いてほしい」と語った。

 一方、党県連の土井隆典幹事長(62)は「個人的には(菅氏に続き)神奈川から2代続けて首相が出ることになれば喜ばしいこと」としつつも、「県連として個別の候補者を応援するスタンスはとらない」と話した。

 岸田文雄氏

 2度目の総裁選挑戦となる岸田文雄前政調会長(64)の地元、広島市では、東京での出陣式の様子がリモート中継されたホテルに約150人が駆けつけ、盛り上がりを見せた。

 広島県議会議長で県連の中本隆志会長代理(62)は「やっと待ちに待った日が来た」と感慨深げ。「『時代は自分を呼んでいる』との発言は、今までは想像できなかった。そのまま発信していけば、必ずや勝つことができると確信している」と力を込めた。

 後援会長の伊藤学人さんは「心強さを感じた。1年間でいろんな勉強をしたことがプラスになっている」と手応えを口にした。

 宏池会(岸田派)からの首相輩出は、平成3~5年に務めた故宮沢喜一氏が最後。宮沢氏の地盤だった同県福山市でも機運は高まっている。同市が選挙区の松岡宏道県議(66)は「宏池会の流れ、宮沢イズムをしっかりと引き継いでいただけるのは岸田先生だ」と期待した。

 高市早苗氏

 高市早苗前総務相(60)のお膝元、奈良県では、自民議員や支援者らが選挙態勢を整えた。

 同県大和郡山市の高市氏の地元事務所では早速、後援会スタッフが県内の党員に電話をかけ、支持を訴えた。木下剛志事務所長(50)は「議員の支持は集まってきているので、党員票の確保が重要。県内の票はすべて獲得するつもりでやる」と気を引き締めた。

 推薦人となった小林茂樹衆院議員(56)=奈良1区=は高市氏について「候補者の中でリーダーシップを発揮し憲法改正をできる唯一の人だ」と強調。後援会の菊池攻(おさむ)会長(62)も「郷土愛が強く義理堅い。地盤も看板もない中、志や信念で進んでこられ、庶民の立場も理解している人だ」と称賛する。

 ただ、党県連は自主投票とする見込みで、地元議員が「一枚岩」なわけではない。ある県連幹部は「高市さんの選挙区では応援する人が多いが、県内全体でまとまっているわけではない」と打ち明けた。

 野田聖子氏

 野田聖子幹事長代行(61)の地元、岐阜市では、初の女性首相誕生に期待する声が上がる一方、自民党が分裂した1月の岐阜県知事選で県連会長として党内をまとめきれなかった経緯から、指導力を疑問視する冷めた意見もあった。

 岐阜市の野田氏の事務所では、立候補表明した16日から応援の電話が鳴りやまないという。宮川透秘書(59)は「やっと出馬できて感慨深い。投票日まで頑張る」と意気込んだ。県連女性局の松葉綮子さん(74)は「男性社会で生きる苦労や子育てを経験しているから細やかな政治ができる。首相にふさわしい」と語った。

 ただ、足元の県連では、所属国会議員の支持は分散する見通し。幹事長の村下貴夫県議(64)は「県連として支援を機関決定できないが、野田氏の一大決心を応援する」と語った。ある県議は「県連もまとめられなかったのに支持を集められるだろうか」と首をひねった。

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