海外情勢

中国恒大株が一時32%高 利払い実行発表を好感 

 【北京=三塚聖平】香港株式市場で23日、総額33兆円の巨額負債を抱えて経営危機に陥っている中国不動産大手「中国恒大(こうだい)集団」の株価が一時、休場前の21日の終値と比べて32%高となった。23日が期日の社債の一部の利払いを実行すると発表し、同日のデフォルト(債務不履行)懸念が後退した。

 恒大株は21日まで7営業日連続で下落に追い込まれていたが、23日は17・6%高で取引を終えた。同日に期日を迎える人民元建て社債の利払い2億3200万元(約39億円)を実施すると22日に発表したことが好感された。

 同じく23日に期日を迎える米ドル建て社債の利払い8353万ドル(約92億円)については対応を明らかにしていない。この利払いは30日間の猶予期間があると伝えられており、デフォルトに陥る事態をひとまずは回避したともみられる。

 ただ、年末に向けて相次ぎ巨額の利払い期日が到来するため、デフォルトや経営破綻への懸念はくすぶる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは23日、中国当局が地方政府に対し、恒大の経営破綻による混乱に備えるよう指示したと報じた。

 中国メディアによると、恒大経営トップの許家印氏は22日深夜に同社幹部を集め、「販売と経営を回復させることにより、投資家への支払いを確実にできる」とハッパを掛けた。

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