国内

大阪府、認証条件に差別化 手続き迅速化が課題

 緊急事態宣言が解除された後、飲食店などで酒類提供を容認するにあたり、大阪府は感染防止対策の第三者認証を受けていることを条件とし、未認証店と差別化した。吉村洋文知事は感染対策と社会経済活動の両立に向け、「感染に強い飲食の場づくり」を目指している。10月には飲食店などを対象に、ワクチンの接種証明などを使った行動制限緩和の実証実験が予定され、迅速な認証手続きが課題になりそうだ。

 「大都市部で感染が広がりやすい。第三者認証を取っていない店はリバウンド(感染再拡大)を防ぐ意味で、お酒の提供自粛をお願いしたい」。吉村氏は28日の対策本部会議後、記者団にこう述べた。

 政府は同日改定した基本的対処方針で、酒類の提供は可能としつつ、「都道府県知事が適切に判断する」と裁量を与えた。府は認証店に限り午後8時半までの酒類提供を認め、認証していない店には引き続き自粛を求める方針を決めた。

 認証のお墨付きとなるのが、府が6月16日に運用を始めたゴールドステッカー制度だ。店側は、感染対策の責任者を配置するなど、43項目の対策を確認した書類と、裏付けとなる写真を府に提出する。書類審査や現地確認を経て、最短2週間ほどで認証される。

 今月28日午前時点での申請件数は4万2650件で、認証済みは3万2118件。営業時間短縮要請に対する協力金を受け取った約6万店を母数と考えれば7割が申請し、半数以上が認証を受けた形だ。

 だが、制度開始から約1カ月半後の8月2日に4度目の緊急事態宣言が発令されたため、府は認証の有無に関係なく酒類提供の自粛を要請。認証のメリットが一時的になくなった飲食店は申請を控えるようになり、手続きは停滞した。

 府幹部は28日の対策本部会議で、宣言解除後の申請増加を見据え「今後はゴールドステッカーが重要になる。お店が用意できているのに手続きが遅れることがあってはならない」とくぎを刺した。

 府はさらに認証店を増やすため、飲食店のインセンティブ(動機付け)となる支援策を打ち出している。

 1万円払えば最大1万2500円分の食事ができる「Go To イート」のプレミアム食事券について、認証店では上限を1万3千円分に引き上げる。府民が府内を旅行する際、認証店に限って飲食でも使えるクーポン券を最大3千円分配布する予定だ。

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