自民党三役インタビュー

甘利幹事長 改憲議論進めること重要

 自民党の甘利明幹事長は産経新聞の単独インタビューに応じ、衆院選(19日公示、31日投開票)に向けて「1議席でも多く積み上げることが私の仕事だ」と語った。憲法改正に関しては野党を巻き込み、憲法審査会で議論を進めていくことが重要との認識を示した。詳報は次の通り。

 --衆院選での目標議席は

 「衆院選は政権選択選挙だ。岸田文雄首相は、(勝敗ラインについて)与党の過半数とおっしゃっていることは、まさにその通りだと思う。だが、私は幹事長として党勢拡大の先頭を切っており、公認、推薦候補全員の当選を目指したい。与党で政権を担当できるというギリギリのラインから、より安定化に向けて1議席でも多く積み上げていくというのが私の仕事だ。自民で何十議席とか、何百議席とかで線を引くというような話ではない」

 --首相が想定していた11月から月内の衆院選への前倒しに踏み切った理由は

 「首相が直接国民の信任を得る機会をできるだけ早く持ちたいと考えたことが大きな理由だ。また、野党からも憲法の精神に従えば、(21日の)任期内で選挙を行うべきだという指摘も上がっていた。任期からはみ出る日数を極力少なくしたいということだ」

 --衆院選の最大の争点は

 「日本に限らず、世界中で社会の分断が進み、富める者はより豊かになり、富まざる者はより貧困になっている。新型コロナウイルスはこの流れをより加速させた。そんな中で首相は国民に寄り添い、中間層を分厚くして社会の安定化を目指すことを掲げた。新型コロナの不安を解消し、そのうえで経済活性化と両立する『岸田流』のやり方を問うのが今回の選挙だ」

 「首相の政治手法は、1人で勝手に走っていき、振り返ったら誰もいなかった、というものではない。国民との対話力を高め、寄り添い、不安感を払拭していくというものだ。デジタル政策でも誰一人置いてきぼりにしない施策を目指していく。コロナ収束と経済活性化をしっかりと両立させ、そのためにも(衆院選後には)補正予算を相当規模で組むことを提示している」

 --自民はすでに1次公認を発表したが、残る選挙区はいつごろまでに調整を終えるのか

 「解散が迫っており、時間的余裕はない。公認候補にどんどん公認証を交付しなければならず、そんなに長くは引っ張れない。基本的には現職が優先されるが、地元県連や地域支部が『ノー』と言えば、現役だと言ってもすんなり通るとは限らない。こうしたいくつかの要素を勘案しながら、遅滞なく決定をしたい」

 --首相が掲げる憲法改正への考えは

 「今回の新型コロナウイルスでもそうだが、党の改憲4項目にも明記されている『緊急事態条項』などは危機のたびに必要性に言及されてきた。だが、現状では最高法規の憲法にその記載がなく、事態ごとの対応になっていることは否めない。有事になってからでは遅く、(緊急事態条項などの)必要な項目をきちんと憲法に記載することはどうしても必要だ」

 「ただ、改憲を進めるためには与野党でコンセンサスをとることが大事だ。野党にも改憲が必要だと思っている議員は大勢いる。野党もしっかりと巻き込み、憲法審査会で活発に議論していくことが大事だ」

 --党運営で麻生太郎副総裁らとどう連携するか

 「首相は、内閣は『岸田カラー』で染め上げた。内閣は首相が描く考え方で進めてもらい、党が支えていくことが重要だ。今後は内閣と党の齟齬(そご)が起きないようにしなければならないが、私と麻生氏が党内のコンセンサスをとり、『岸田カラー』をバックアップしていきたい」

 --野党は金銭授受疑惑の説明を繰り返し求めている

 「私の地元の秘書の監督不行き届きで当時、お騒がせしてしまった。私も秘書も検察の捜査の結果、不起訴だった。検察審査会も同じ結論を出した。強制権を持って調べ尽くした結論だ」(永原慎吾)

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