海外情勢

米中間選挙、政権運営「評価」 与党に厳しく

 4年に1度の米大統領選挙の中間の年に行われる連邦議会の上下両院選と、同時にある州知事選などの総称が「中間選挙」と呼ばれる。現職大統領が任期半ばで迎える中間選は、それまでの政権運営が評価される「信任投票」の側面を持つとされ、注目されてきた。

 選挙日は法律で、11月の第1月曜日の翌日の火曜日と定められ、2022年は11月8日となる。

 連邦議会では各州から2人ずつ選ばれる上院(定数100、任期6年)の約3分の1が改選され、22年は34議席が争われる予定だ。各州に人口比で議員数が割り当てられる下院(定数435、任期2年)は全員が改選される。州知事選は36州で実施される見通し。

 近年は大統領の所属する与党に厳しい結果が出ることが多い。大統領に有権者の厳しい目が向けられ、野党が批判票を集めやすいとされるためだ。大統領は、与党が議席数を大きく減らすと、議会で法律を通して重要な施策を進めることが難しくなり、その後の政権運営が困難になりかねない。

 第44代オバマ大統領(民主)は10年、14年の中間選で敗北を重ね、厳しい議会対応を迫られた。第45代トランプ大統領(共和)は18年の選挙で下院の与党議席数を大幅に減らした。上院を与党、下院は野党が握る「ねじれ議会」となり、優先課題とした「国境の壁」建設などは、野党の反対で十分な成果が出なかった。

 「与党敗北」には例外もある。1990年以降では第42代クリントン大統領(民主)が98年中間選で、好景気を追い風に下院で過半数には達しなかったが議席を増やした。第43代ブッシュ大統領(子、共和)も「テロとの戦い」が支持され、2002年に上下両院で勝利した。

 中間選の情勢は大統領の支持率に影響されやすいと指摘されており、支持率低迷に悩むバイデン大統領は苦戦が予想されている。

 来年秋の中間選では、20年の国勢調査に基づく人口の増減に応じて、各州ごとに割り当てられる下院の議席数が一部変更される。南部テキサス州など共和党地盤の議席が増えるため、民主党が不利になるとの分析もある。(ワシントン 塩原永久)

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