アシックス靴で炎上する韓国大統領　反日論理の一方で“日本製愛用”の矛盾

　韓国の朴槿恵大統領が「親日家だ」と批判にさらされているという。気味が悪い話だが、事の発端は10月27日、日本のプロ野球日本シリーズにあたる「韓国シリーズ」での出来事だ。始球式のマウンドに立った朴大統領は、あろうことか、関西に拠点を構える日本の超有名メーカー製のシューズを履いていた。頑（かたく）なに日本との対話を拒み、世界で「反日」論理を振りかざす張本人が、実は日本の技術力の高さを信じる親日家…。やはり、全く笑えない、気味の悪い話だ。

　盗っ人猛々しい「反日」国家

　朝鮮日報（電子版）などによると、ソウル市内で10月27日に行われた韓国シリーズ第3戦で、朴大統領は始球式に臨んだ。濃いベージュ色のズボンと「2013　コリアンシリーズ」と書かれたウエアを着た朴大統領は、太極旗が記された青と赤色のグローブをはめていた。

　投じたボールは捕手までは届かなかったが、放物線を描きながらホーム方向へ。球場からは大きな拍手が起きた。だが、ネットユーザーは朴大統領の足元のシューズを見逃さなかった。日本のアシックス（本社・神戸市）製だったのだ。

　朴大統領は、日本との対話を頑なに拒み、「反日」論理を世界で展開する韓国の代表者だ。しかもアシックスは今年初め、ネット上で竹島の日本領有を支援していると一方的に非難されている。「反日」国家のトップが日本製を使っていた事態に当然、批判の声が高まった。

　韓国では外務省がホームページで公開した竹島（島根県隠岐の島町）の韓国領有主張を宣伝する動画に、NHKのドラマ「坂の上の雲」の映像が無断で使用されていたことが発覚している。動画は約12分にわたり竹島が韓国領土だとする韓国側の主張を紹介し、「坂の上の雲」に出てくる日露戦争のシーンが約10秒間、使用されていた。

　「反日」をかざしながら、ちゃっかりと「日本製」を使う図々（ずうずう）しさ。いずれも盗っ人猛々（たけだけ）しい行為と言わざるを得ない。

　LOVEの関係?

　中央日報（電子版）の「グローバルアイ」というコラムで朝日新聞の3年前の「天声人語」を引き合いに、こんな論理が展開されている。天声人語が「LOVE」と「LIKE」の違いを前者は異質なものを追求し、後者は同質性を追求するという解釈をしていたなどとした上で、日韓関係をその2つの関係で説明している。

　この数年間、日韓両国は互いが異質であることに気づかず、同質的なものばかりを求めていたと主張し、それが関係悪化の一因だとした。その上で「『異質のパートナー』と賢明につきあう方法を模索する時になった。ひょっとすると、そのうち『LOVE』に発展することもあるかもしれない」と結んでいる。

　果たしてそういくだろうか。

　朝鮮日報によると、今年1～9月までの日本企業の対韓投資は19億6307万ドル（約1917億円）で、前年比40%も減少したという。しかも日本企業の海外投資のうち、韓国分だけが大幅に落ち込んでいる。

　この事態について、研究機関の所長は「韓国の政界は海外からの投資を誘致する上での障害を取り除く努力さえしていない」と指摘している。

　韓国を訪れる日本人も激減した。韓国観光公社によると、今年1～3月期から7～9月期までに韓国を訪れた日本人は前年同期比26%減り、日本人観光客数は13カ月連続で減少している。ホテルの稼働率は60%台まで下がっているともされる。

　いずれのデータも、日本にとって韓国がパートナーになり得ないことを正直に示している。要するに、信ずるに足らない存在なのだ。

　実は「親日」という悪魔

　これまでの韓国側の行状をみれば、信頼できない理由は明らかだ。

　8月13日には日本固有の領土である竹島（島根県隠岐の島町）に韓国の野党議員12人が上陸を強行。竹島では韓国軍などが上陸訓練も行った。

　さらに8月15日には、靖国神社で「日本の右傾化を懸念する」声明を発表しようとする韓国議員までいた。しかも大勢の韓国メディアを引き連れて。

　こうした行為がある限り、「LOVE」などという関係にはなり得ない。

　「悪魔はディテールにいる」

　中央日報によると、朴大統領は今年9月のある会議で、そう発言したという。国会に提出する法案の趣旨がよくても、その詳細が十分でなく、結果、国民に負担がかかるケースがあるとの警告だそうだ。

　「反日」で“武装”しつつ、実はさまざまな場面で「日本製」を愛用する韓国。ディテールに潜む「悪魔」とは、自らの内にある矛盾のことではないだろうか。