中国 「史上最も厳しい」食品安全法10月施行

2015.9.17 05:00

 ■月内に許可証取得、EC業者ら準備着々

 「史上最も厳しい」とされる食品安全法が10月1日に施行される。今回改正された同法は、インターネット上の食品製造販売業者に対しても経営に必要とされる許可証の取得を義務付け(農産物を除く)、同時に食品取引の第三者プラットホーム提供者に対しても許可証の審査を義務付ける内容。施行に先立ち、電子商取引(EC)事業者らは着々と準備を進めている。

 中国のEC最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)傘下のショッピングサイト「淘宝網(タオバオ)」では、すでに出店者に対し、代表者の身分証明証、営業許可証、食品流通許可証の3つをそろえ、営業許可証の経営範囲に基づいた申請手続きを行うことを要求。9月末までに手続きをしない場合は強制撤退させる方針を明らかにしている。

 ◆消える自家製食品

 しかし、出店数の多い淘宝網で画一的な許可証制限を実行した場合、“自家製食品”をうたう多くの店が販売できなくなってしまうという実態がある。

 実際、同サイトで“自家製食品”というキーワードで検索をかけると、2617件もの結果が表示され、エコや有機、天然、環境保護といった言葉で消費者を引きつけている。その中で、自身の畑で採れた野菜の漬物や干し芋を販売している、ある出店者は「許可証も未取得で検査も受けていないが、全過程を自分たちの手で行っており、何の問題も存在しない」と主張した。

 淘宝網はこれまでも、あらかじめ包装された加工食品に関し、販売主には(国家品質監督検験検疫総局による)食品生産許可証(QS)番号の入力と食品表示ラベルの掲載を義務付ける規則を定めており、許可証をもたない出店者の締め出しに一定の成果を上げていたというが、新法が施行されれば、ごまかしは一切効かなくなってしまう。

 また、実店舗での販売にあたっても食品生産許可証や食品流通許可証が必要となる。生産地や生産規模、管理モデルの各方面で関連法規の要求を満たす必要があるため、投入コストも大きく、“転身”は容易ではないのが現状だ。

 ◆保険システム導入

 一方、デリバリーサイト「美団外売」は保険会社と手を組み、食品安全の上で問題が生じた際には、医療機関の証明書などをオンライン上で提出すれば賠償金が受け取れるシステムを構築している。同保険への加入店は画面上に「保」の文字が表示されるという。

 同社の担当者は「この保険システムの導入によって、消費者に食の安全を保障するのと同時に安心感を与えることができる」と話し、長期的には食品生産に対する安全強化につながると指摘。生産流通などの各段階でオンライン化やデジタル化が進む現代、食の安全問題は部分的に解決できるとの見方を示した。

 保険業との提携以外にも、掲載店への審査を強化しているデリバリーサイトも多く、営業許可証を持たない店の中にはすでに閉店状態に追い込まれたところもあるという。

 このほか、インスタントメッセンジャー「微信(ウィーチャット)」のグループ投稿機能「朋友圏(モーメンツ)」を利用した“お手製のごちそう”の取引も拡大中だ。運営会社の騰訊(テンセント・ホールディングス)はパブリックアカウントの申請企業に対しては合法性などを審査、合格者にVマークを授与する仕組みを取っているが、個人アカウントに関しては現時点では監督措置を講じていないという。(広州日報=中国新聞社)

閉じる