2015.9.28 05:00
全世界のクリスマス用品の3分の2を生産し、“世界最大のクリスマス用品の集積地”と称される浙江省義烏市。現在は生産・販売のピークまっただ中で、同用品を扱う市内約800企業と雑貨問屋などが集まる義烏国際商貿城では、受注と商品発送に追われている。
国際商貿城で店を構える黄さんによると、自営している工場ではすでに稼働時間を延長して生産を行っている。今年は受注数が多く、早くも5月の時点でサンプルを見に来る大口顧客もいたという。
だが人件費や原材料費の上昇で、受注が増えても利益は少ない。販売量が大きいのはクリスマスツリーやサンタ帽、オーナメントボールなど付加価値の低い製品。価格が安く、コスト増で利益が限界まで下がっているものばかりだ。
黄さんは「新製品の開発に望みを託すほかない」と語る。従来製品の利益は5%にも満たないが、新製品の利益は最大で約20%にも上るからだ。
同業者の虞巧芳さんは今年、サンタクロースが煙突を通ってプレゼントを届ける場面を模した新商品を開発。近年はこうした個性的でアイデアにあふれた製品がバイヤーの注目を集めているという。
これまで、欧州の顧客には繰り返し使えて価格も安い実用的なクリスマス用品が好まれていた。だが、欧米経済が好転した2014年以降、新しくて独自の機能がある高級品の人気が高まっている。これらの製品が全体に占める比率は14年の25%から現在は40%にまで上がっているという。
義烏市の統計によると、今年1~7月の同市のクリスマス用品輸出高は前年同期比25.5%増の4億5000万元(約85億3200万円)。1~8月に義烏検験検疫局を通して輸出されたクリスマス用品は前年同期比62.12%増の3410ロット、金額にして120.14%増の5160万ドル(約62億3500万円)だった。
義烏市聖誕(クリスマス)用品産業協会は、今年のクリスマス用品輸出成長率を前年比5~10%増と予測。
業界関係者によると、同業界は薄利産業で、為替レートの影響を大きく受ける。最近の人民元レート引き下げは同産業にとって追い風といえそうだ。(中国新聞社)